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陽炎書店RPG/サプライズバースデー!/リプレイ

  • 7 日前
  • 読了時間: 19分


お粥さん作のGMレスなTRPGシステム「陽炎書店RPG」のtsukiさん作シナリオ「サプライズバースデー!」(リンクはtsukiさんHP)を、ディジベラちゃんとマスターの親子で行ってみました。


▶陽炎書店RPGとは?(以下引用失礼します)

 この世界で生きるPCの人生と物語を紡ぐRPGです。  一人用TRPGとして遊べることを軸に、PC二人を出してうちうちのバディ・カップリングで遊べたり、NPCと対話や協力をして状況を打破できる世界観共有型ソロRPゲームとなっています。

 だそうです! ロールプレイ重視ということですね。RPGが実際ロールプレイングゲームの略だもんね。

 よそのこ大好きPLとしては大歓喜なシステムとシナリオ群の予感がひしひししています。


 特にキャラシなどは準備いらないそうなので、ディジベラちゃんとマスターで向かいます。若マスターは冒険者でしたが、現マスターは強すぎる&もう冒険者はしていないので、ローグライクハーフだとシナリオや小説に出すくらいしか出来ないのですが、「陽炎書店RPG」のシステムなら出せちゃうんですね~。ありがたし!


 判定も6面ダイスを1個振るだけ。1はファンブル、6がクリティカル、他が成功……だいぶ成功率が高そうですね!(フラグ)


 とりあえず、楽しみ方が合ってるか分からないままですが、とりあえず行ってみましょう。




▶ディジベラ

チャマイ近くの〈エンベニー〉村にある宿〈天駆ける狗〉亭の看板娘。砂漠エルフ・ダヴァランの娘でハーフエルフ。

 カサブランカさん(代筆:アシュレイさん)とは文通している。

 カサブランカさんお手製の野菜を分けてもらったり、泊まりに来てもらったときの食料難を助けてもらったり、カサブランカさんにはお世話になっている。

 カサブランカさんをお祝いすると聞いて、張り切っている。







▶ダヴァラン

〈天駆ける狗〉亭のマスター。ディジベラの父親の砂漠エルフ。

 カサブランカさんは冒険者としても農家としても信頼を置いており、親子ともどもお世話になっている。

 カサブランカさんをお祝いすると聞いて、料理ならば手伝えそうだと張り切っている。

















 ディジベラとダヴァランは、冒険者として(時に農家として)世話になっているカサブランカの誕生日に、アシュレイに招待を受け、「彼女」が暮らす一夜荘へとやってきた。

「カサブランカさん、何なら喜んでくれるかしら?」
「まぁ、『彼女』なら何でも喜んでくれるとは思うが……それでも、誠意は尽くさんとな」


●一夜荘ダイニング 


 アシュレイに歓迎され、一夜荘の面子が揃ったダイニングに通される。一夜荘は建物が古いが、カサブランカやオレガノを主とした手入れのお陰か、外も中も綺麗に整っている。小物や花の鉢が置いてあったり、随所に温かみを感じる。住み心地が良さそうだとディジベラは思った。

「今日集まってもらったのは他でもありません。カサブランカさんの誕生日についてです!」

 普段はおとなしく、控えめなアシュレイがきりりと眉を上げ、彼女にしては大きな声で宣言した。

「珍しくはりきっているな、やけに。どうした」

 ノートを前に唸っていた男装の麗人、キースが眼鏡を上げながら、少し目を見開く。どうやらネタ探しの手を止めるほどの事だったようだ。

「だってカサブランカさん、ひとの誕生日の時はあれこれ準備してくれるのに、自分の誕生日のことは言ってくれないんですから」
「当日になって『忘れてたわ!』だったからな」

 アシュレイは少し頬を膨らませている。キースは肩を竦めて溜息をついた。

「ふふ、カサブランカさんらしいわね」
「なら、去年は祝えなかったということかな?」

 ディジベラがくすりと微笑む。自分の事より他人のお世話が大好きなカサブランカらしい。ダヴァランが穏やかに問いかけると、アシュレイは悲し気に深く頷いた。

「そうなんです。お祝いの言葉しか伝えられなくて。昨年はそれで失敗しました……しかし、今年こそは! なんとしても盛大にお祝いしたいんです!」
「うん、わかった」

 それまで言葉を発さず話を聞いていた黒づくめの青年、ネイトが静かに頷いた。

「去年の分も合わせて、盛大なお祝いにしたいわね!」
「私は料理なら手伝えるだろう。人を喜ばせる料理は腕が鳴るな」

 ディジベラとダヴァランもやる気を見せると、アシュレイの顔が華やいだ。それを受けて、穏やかな淑女アニスが柔らかく微笑む。

「ふふ、そうよね。なにが必要かしら? なんでも言ってちょうだい」
「プレゼントとケーキは必須ですよね。あとは……」

 アシュレイが指を折りながら数えているところへ、主賓であるカサブランカがひょこっと顔を出した。本日もキラキラの瞳にフワッフワの髪が眩しい。

「ちょっと〜! みんな集まってなにやってるの〜?」
「ひょえっ。な、なんでもありません! なんでも!」

 アシュレイはどうやら嘘をつくのが上手くはなさそうだ。ディジベラとダヴァランが席を立つ。

「こんにちは、カサブランカさん! 突然だけど遊びに来たの」
「すまないね、挨拶もせず。皆の話を聞いていたんだ」
「あらッ! ディジーにマスターじゃないの! いらっしゃい、来るならそうと言ってくれたらよかったのに! アシュレイ、お茶を出すのを手伝って!」
「嗚呼、いいのよ、お気遣いなく。私はこれからちょっと出かけて来るから」
「あらそうなの?」
「えぇ! えっと……キースさんとネイトさんに、街を案内してもらおうと思って!」

 恐らくケーキ作りは、料理が出来そうなアシュレイかオレガノ、そしてダヴァランに任せた方がいいだろう。アニスは少しイメージが湧かなかったが……常に一緒に行動しているオレガノがすべて用意していそうな気がする。ディジベラはというと、料理をするとどうも七色に光ったり真っ黒こげになったりするので、戦力外に近い。そうなれば、プレゼントを用意する側に回った方がいいだろう。同様に、何となく料理をしているイメージがあんまりない二人を指名すると、キースは仕方なく、といった様子で、ネイトは素直に頷いた。

「何だか珍しい組み合わせねぇ。でも素敵! 楽しんできてね」

 カサブランカは特に疑うこともなく、ディジベラとキース、ネイトの三人を送り出してくれた。


 と言う訳でいざ、プレゼント探しへ!




●街へ買い出しに 


 メイン通りを並んで歩きながら、ディジベラ、キース、ネイトの三人は頭を悩ませていた。

「誕生日プレゼントね……ネイト、案はあるか?」
「うーん……」
「カサブランカさんの好きなものがいいわよね、きっと。オシャレなものと、お野菜と、動物と、畑仕事……?」
「野菜は作ってるから要らないだろう」
「畑仕事用の……道具?」
「いいわね! それのオシャレそうなものとか? あとは動物柄とか……手袋も可愛いものが売ってるみたいだし、あとはワンポイントとか色が可愛い長靴とか……外仕事が多いなら、タオルも重宝するかもしれないわね。リエンス家のものなら、お手軽価格なものから、高級なものまで、品質良くてオシャレなものが売ってるかも?」
「色々出てきたな。採用だ。確保に向かうぞ」
「わかった」

 三人寄らば、とは遠き東の島国ヤーパンの諺だったか。良い案の出てきた三人は、早速そういうものが売っていそうな、リエンス家の商品を扱う店へと向かったのだった。



● プレゼント選び

1d6を3回 → 🎲4、1、2 成功2ファンブル

 と言う訳で、上等な可愛い柄の手袋(軍手)、上等で丈夫そうな色合いの可愛い長靴と……上等なタオルが売り切れていたため、お花の刺繍の入ったハンカチをゲットしました!

 現代の話ですが、軍手ぃなる可愛い柄の軍手プロジェクトがあるそうです。カサブランカさんにはアネモネ柄とか似合いそうですね。

 長靴……中世ヨだとそんな色まで気にしてなさそう(というかそもそも長靴無さそう説?)なんですが、まぁ我らがリエンス家は流行の最先端を行って下さいますのでね! 多分ニュアンスカラーとかもあるんです、そう、リエンス・ブランドならね。

 農作業にはタオル必須だろうと思うんですが、ファンブルだったので残念ながらハンカチになってしまいました。

 誰ですか、成功率高いですねとか言ってたのは!(私だよ!




「む……すべて上等なものを選びたかったが……」
「売り切れじゃ仕方ない」
「そうね。でも二つはいい感じのものを見つけられたし、きっと大丈夫よ!」

 綺麗にラッピングしてもらい、三人は帰路につきます。

「そういえばキースさん、作家業は順調?」
「……そう見えるか?」
「あはは、いつも通りみたいねぇ。……あ、誕生日パーティの夜に起こるホラーとかは?」
「これからカサブランカを祝うっていうのに不謹慎だな」
「でもお祝いムードから一転……だと何だか怖そうじゃない?」
「…………まぁ、すぐには書かないが、ネタとしては貰っておく」
「良かった。ネイトさんは、最近何か作ったりした?」
「んー……棚とか、椅子とか……あとはブランコ?」
「えっ、凄い! 庭に置いてあるの?」
「うん」
「あとで見せて! たまに乗ると楽しいのよね」
「うん」

 などなど、主にディジベラが聞いたり話したりが主でしたが、和やかに会話は続いたのでした。


 折角なので何かこんなお話してたらいいなの交流パートも入れつつ。

 ディジベラちゃんは看板娘なので(?)色んな人とすぐ仲良しになれます。多分エルフとしての頭の良さ+ネロリムニさんの学者肌などは受け継いでる気がする。愛嬌の良さはディジベラちゃん固有特技と言えましょう。両親どっちも愛嬌あるタイプじゃないからね…(笑)

 



●一夜荘 キッチン 


 一方、ダヴァランはというと。カサブランカを連れだし、畑の様子を聞いたり、お茶をご馳走になったりしていた。ある程度のところで切り上げさせてもらって、キッチンを見に来ると、アシュレイがあたふたと小麦粉や卵、牛乳などを準備していた。

「あっ、ダヴァランさん。今こっそりケーキの準備中で……手早く済ませないとなので、よかったら手伝ってもらえませんか……?」
「いいとも。その為に来たようなものだからね。とは言え、焦って作っても良いものは出来ない。落ち着いて、一つ一つ準備しようか」

 ダヴァランが柔らかく微笑むと、アシュレイはホッと息をつく。

「確かにそうですね……ありがとうございます。ではクリームを混ぜてもらえますか?」
「心得た」


●ケーキ作りのお手伝い


1d6を5回 → 🎲2、3、6、5、1 成功3クリティカル1、ファンブル


 完成までもう少し……というところで、片付けを始めていたダヴァランはボウルを落としてしまった。一夜荘にけたたましい音が響いてしまった所為で、カサブランカが飛んでくる。

「大丈夫~!? 怪我とかしてない!?」
「嗚呼すまないね、騒がせて。ボウルを落としただけだから大丈夫だ」
「なら良かったわ。ってあらアシュレイ、またなにか作ってるの?」
「ほえっ! あ、あ、は、はい! そうなんです! えへへ……」

 オーブンで焼いているケーキを隠すように、不自然な動きをするアシュレイに、ダヴァランは助け船を出す。

「私から、レシピを教えてあげていたんだ。ただやり方を伝えるより、実際作ってしまった方が分かりやすいだろうと思って、キッチンを借りさせて頂いたよ」
「そうだったの。勉強熱心ねぇ、アシュレイは」
「そうだね。飲み込みも早いし、私も良い生徒を得た気分になれたよ」
「そ、そんな、私なんてまだまだですけど……えへへ」

 カサブランカとダヴァランに褒められ、頬を染めるアシュレイだったが、照れながらも嬉しそうな様子は隠しきれていない。

「もし良ければお裾分けして頂戴ね、待ってるわ!」
「嗚呼、その時は皆を呼ぶから安心するといい」

 カサブランカは上機嫌でキッチンから去って行った。アシュレイがぺこりと頭を下げる。

「えっと、ありがとうございました。ケーキもいい感じにできたと思います……えへ」
「何、構わんよ。殆どアシュレイが作っていたからね。私はサポートくらいだったし……手際も良いから見事なものだったよ」

 ダヴァランがまた褒めると、アシュレイは両手を顔の前に出し、「も、もうそれくらいで……!」と真っ赤になってしまった。


 アシュレイさん可愛いよアシュレイさん。

 いい子ですし可愛いし健気ですし。マスターも娘持ちパパさんなので問題なく接してくれそうです。


 これほんと親子で来て良かったーーーー!!!!!! となりました。

 一夜荘の「農協」メンバーを危うく虹色同盟にご招待するところだった。マスターGJ。まぁ最後の最後でファンブルなのは流石というか何というか。

 今回の出目は時間経過風に読んでみました。多分クリーム泡立てたりフルーツ切ったり、器具洗ったり、こまごま色々下準備の補佐をしていた感じかなと。

 彼が料理に目覚めたキッカケは、リプレイではお出ししてない『ドラゴンレディハーフ』の3回目の冒険で「アックス・ドラゴン」さんと出会っていたからだったり、ネロリムニさんがあんまり料理得意ではなかった(何か実験っぽくなってしまう……ただ七色に光ったりはしない)ためなんですが、案外性分には合ったようですね。





●森へ 


 キースとネイトにプレゼントを運び込んでもらったディジベラは、出かけようとしていたアニスとオレガノについていくことになった。

「彼女、花が好きだから」

 そう言ってアニスが案内してくれたのは、森の奥の花畑だった。

「わぁ……色んな花が見事に咲いているわね!」
「えぇ、ここは秘密の場所なのよ。野花を少しいただきましょうね。元気なものを探してくれるかしら」
「かしこまりました」

 アニスは寡黙なメイドのオレガノに指示を出す。小さく頷いたオレガノは、早速とばかりにてきぱき花を摘んでいく。

「カサブランカさんに似合うのは……ユリだとは思うけど、流石にここには無さそうね。明るい色の華やかな花がいいかしら」



 原産地など野生で咲いているか……は気にしてると時間が溶けるので、7月頃に咲いてそうでカサブランカさんっぽい花を探してきました。アマンツァ(天狗ろむ時空のアランツァ)にはあるということで一つ……花言葉も好きなのでそれも込みで選定。



 オルレア……白いレースのような花。これはヨーロッパの野の花みたいです。花びらはハートの形に並んでいるみたいで可愛い。花言葉は「可憐な心」「静寂」「細やかな愛情」。静寂以外はカサブランカさんっぽいですね! いやでもたまに「静寂」な時もあるアンニュイカサブランカさん……エモでは……?(いやあんまりアンニュイになって欲しくはないんですけども!!)


 アマリリス……ヒガンバナ科のユリに似た大輪の花。豪華な感じ。花言葉は色でも変わるけど「おしゃべり」「輝くほどの美しさ」「内気」「誇り」「虚栄心」「臆病な心」など。ギリシャ神話由来。「内気」とかは実は奥手なカサブランカさんらしさも感じます。


 ルピナス……藤に似た花。下から咲きあがるのでノボリフジとも呼ばれているとか。赤から紫、ピンク系まで。花言葉は「想像力」「いつも幸せ」「貪欲」「あなたは私の安らぎ」。「貪欲」は強い吸肥力にちなむから、だそうでこれ以外はぴったりかな。


 花束としてのバランス感は一切分からんですが、オルレアが白、アマリリスが赤系、ルピナスがピンク系で雰囲気としては良さげかな? この3つを探したことにします。



●お花探し

1d6 3回 → 🎲2、5、6 成功2、クリティカル

 上等な綺麗なオルレアとアマリリス、特に美しく咲きほこるルピナスをゲットしました。

 流石ディジベラちゃん、お花好きなので勝手知ったる様子です。名前もお花由来ですからね。




「こんな感じでどうかしら?」
「嗚呼、良い花ね。オレガノ、花束を作ってくれるかしら。店に出す時のリボンで結わえて」
「はい、仰せのままに」

 ディジベラが摘んだ花々も加えて、立派で美しい花束が完成した。

「凄いわねぇ、オレガノさん。見事な手際だわ」
「恐れ入ります」
「でしょう、オレガノは凄いのよ」
「アニス様……お客人の前では」

 ディジベラが褒め称えても、クールな表情を崩さなかったオレガノだったが、アニスが頷きながら同意を示すと、少しばかり困惑したように眉をひそめた。

「あら、いいじゃない。私もオレガノを褒められるのは好きよ」
「アニス様あっての身ですので」
「二人とも、素敵な絆をお持ちよね」
「ふふ、ありがとう」
「……勿体ないお言葉です」

 嬉しそうにふんわり微笑むアニスと、恐縮するオレガノを眺めて、ディジベラも微笑んだのだった。


 アニスさん&オレガノさん主従も好きでぇ……。

 オレガノさんはディジベラちゃんにもガード固いとは思うのですけど。これくらいはお話してくれるかな!?

 あとアニスさんの「野花を少しいただきましょうね」の上品かつ優しい言い回し、ビッグラブ。





●一夜荘 ダイニング 

 準備は整った。カサブランカのいない間に、皆で協力してダイニングを飾り付けをする。彼女が好きそうな明るい色合いのテーブルクロスを使い、壁にはタペストリーやネイトの作った自然の素材を使ったパネルやリボン、そこここに庭先の花々を花瓶で飾る。

「あと何かできること……あ! ちょっと待ってて。すぐ戻るわ!」

 ディジベラは何かを思いついたのか、少し席を外したが、すぐに戻って来た。何やら箱を小脇に抱えている。

「ディジー? まさか……」
「カサブランカさんなら大丈夫だと思って」
「まぁ……彼女がヨシとしたならね。無理そうなら引き取るように」
「はぁい」

 親子でそんな会話をしている間に、アシュレイがカサブランカをダイニングに案内してきた。

「カサブランカさん!」
「えっ、どうしたのこれ!?」
「お誕生日おめでとうございます!」

 一夜荘の面々と、ディジベラ、ダヴァラン親子の全員が拍手でカサブランカを出迎える。

「おめでとう! カサブランカさん! お祝い出来てとっても嬉しいわ」

 ディジベラは驚くカサブランカに駆け寄ると、ぎゅっと手を握った。

「あら……あらあらあら、まあ……こんなことしてもらっちゃって、いいの?」
「当たり前じゃないですか。いつもお世話になってるんですから」
 アシュレイは珍しく言い切った。それほど彼女に感謝しているのだろう。
「おめでとう」
「まあ、そうだな。世話になってる」
「ふふ、おめでとう。素敵な日ね」
「おめでとうございます」

 ネイト、キース、アニス、オレガノもカサブランカを囲んで祝いの言葉を述べる。最後に、ダヴァランがまとめがてら、ネタ晴らしをする。

「おめでとう、カサブランカ。より良き一年になるように祈っているよ。実はね、我々はこの為に呼ばれていたんだ。アシュレイの呼びかけでね」
「そうだったの……道理で何だかアシュレイの様子がおかしかったのね」
「うぅ、バレてはいましたか……」
「でもまさか、ね……こーんな嬉しいことだったとは思ってもみなかったわ!」
「これだけじゃないのよ、勿論プレゼントも色々用意したし、ご馳走もあるし、ケーキも焼いたの。それはアシュレイさんとパパがね!」
「んも~……アナタたちったら。やだ、涙が出ちゃうわ。んふふっ、みんな、ありがとうね!」
 
 早速、パーティが始まった。アシュレイとディジベラ、ダヴァランが料理を運んでくる。赤い鮮やかなポモドロの実を使ったサラダや、カサブランカお手製の夏野菜をふんだんに使ったスープ、チキンの丸焼きや、ギザギザ魚のフィッシュアンドチップス、ぷりぷりザリガニのソテーなどなど。飲み物は葡萄酒だったり、ノンアルコールだったりそれぞれだったが皆、よく食べ、よく飲み、よく笑い合った。

 食事が落ち着いた頃合いを見計らい、プレゼント贈呈の時間が始まる。
「まずはこっちから渡すわね。キースさんとネイトさんと私で選んできたプレゼントよ」
「あらあら何かしらっ! こっちは布っぽいけど……あっらやだぁ、可愛い手袋! 滑り止めがついてるし、農作業用ね? 嗚呼でもこれ汚しちゃうの勿体ない気がするわ!」
「使ってもらわねば贈った意味がないが……好きにするといい」

 カサブランカがラッピングされた包みを丁寧な手つきで開ける。まずは手袋だ。笑顔を見せつつ悩まし気なカサブランカに、キースは肩を竦めてみせた。

「いやね、ちゃんと使わせてもらうわ! 大事にね! あとはハンカチね、刺繍が見事だわ……この肌触り、もしかしてリエンス家の?」
「うん、そう」
「高かったんじゃない!? お小遣い足りた!?」
「大丈夫だった。お手頃価格」

 手袋と一緒に入っていたハンカチを取り出してすぐにどこのものか分かるのは、オシャレ上級者のカサブランカと言えた。ネイトが簡潔に答えると、カサブランカは安堵の溜息を漏らす。

「なら良かったわ。あとは……長靴! ちょうど今履いているのに穴開いちゃったのよ、助かるわ!」
「サイズは大丈夫そうかしら?」
「履いて見ちゃいましょ……うん、ピッタリだわ! 良い色合いだし、農作業の気分が上がっちゃうわね!」

 

 最後の長靴は、確かにカサブランカの足にピッタリだった。カサブランカがくるりと回って見せる。ディジベラははしゃいでるカサブランカが可愛らしく思えて、くすくすと笑みを零した。

「ふふ、良かった。これだけじゃないのよ。もう一つは……アニスさんとオレガノさんと一緒に摘んできた花束!」
「あら素敵! いい香りだし、綺麗ねぇ!」
「ふふ、ディジベラさんとオレガノが、貴女に似合う花を見繕ってくれたのよ」
「個人的な解釈で恐縮ですが……」

 

 花束を渡すと、カサブランカは一つ一つを愛おしそうに眺めた。カラフルな花束は、見ているだけでも元気を貰えそうだ。

「ぜーんぜん! 嬉しいわぁ、アタシってこんな可愛くて綺麗で明るくて華々しいイメージだったのね!」
「花の事はよく分からないが……それでも、カサブランカにはピッタリな花束だね」

 ダヴァランも門外漢ながら微笑む。そう言えば、愛妻ネロリムニの為にと、五百年に一度しか咲かない花を命からがら採りに行って渡したが、叱られてしまったな、と思い出す。『気持ちは嬉しいけれど、そういうものじゃないの。私にとっては、野の花でも充分嬉しく感じるわ。……だから無茶はしないでちょうだい』と。少し遠い目をしたダヴァランには気づかず、カサブランカは花束を優しく抱きしめた。

「あとで玄関に飾りましょうね! お客様にも自慢しちゃいましょ」

 一夜荘の面々と準備したものはこれでおしまいだ。……と、そこでディジベラが少しおずおずと箱を差し出す。 

「それと……これは、私から。もしカサブランカさんが良ければなんだけど」

 ディジベラが箱をぱかりと開ける。そこには、先ほど「作りたて」の牙うさぎがちょこんと座っていた。小首を傾げてカサブランカを見上げている。

「一夜荘がペットを飼うのが禁止だったら、私が引き取るわ。愛情深く育てさえすれば、そんなに狂暴な子じゃないの。……動物が好きだって言ってたから、どうかなって」
「可愛い~! ペットじゃなくて、『家族』としてなら迎えたいわ! オストリッチちゃんもきっと喜ぶわよ!」
「良かった! どうか可愛がってあげてね」
「勿論!」

 と言う訳で、一夜荘のメンバーがこっそり増えたのだった。

「さて、これでプレゼントは渡し終えたかな? 私から……というには、あまり手伝えてはいないが、デザートにケーキはどうだい?」
「あの時焼いていたのはケーキだったのね! 食べるわよぉ!」

 カサブランカの良い返事を聞いて、ダヴァランがクリームたっぷりのホールケーキを持ってくるアシュレイが、あ、と思いついたように引き出しから何かを取り出してくる。

「蝋燭もどうですか?」
「すぐ吹き消しちゃえば勿体なくないわね!」

 カサブランカの年齢は乙女の秘密なので、ここにいる人数分……八本をケーキに均等に立てた。

「ね、全員で一本ずつ吹き消さない?」
「え、でも……カサブランカさんの誕生日ですし」
「アタシがそうしたいの!」

 ダヴァランが手早く蝋燭に火をつける。さっ、早く! とカサブランカに急かされつつ、「お誕生日おめでとう!」と皆で一斉に吹き消した。皆、何となく目を合わせ、笑い合ってしまう。
 笑いがひとしきり落ち着いたあと、ダヴァランが鮮やかな包丁さばきでケーキを切り分けて、皆に配る。クリームの甘さと、レッドベリーの甘酸っぱさが程よいケーキは、とても美味しかったのだった。



――こうして七月十二日のサプライズパーティーは成功に終わった。


「また来るわね、皆さん! 今度は〈天駆ける狗〉亭にも遊びにいらしてね。待ってるわ!」
「良き日に招いてくれて、手伝わせてくれてありがとう。ディジーと……あとはシュテルンと一緒に待っているよ。その時は腕によりをかけてご馳走しよう」

 ディジベラとダヴァランは、一夜荘の面々に見送られて〈天駆ける狗〉亭へと帰ったのだった。


「喜んでくれて良かったわね!」
「嗚呼。人を祝える幸せとはいいものだね」
「私、一夜荘の皆さん、あったかくて大好き!」
「はは、私もだ」



ディジベラとダヴァランのサプライズパーティ! HappyEND




称号「☆カサブランカの友」獲得!



 いやったあああああああああああああああああ!!(うるさっ)


 カサブランカさんとフレンドですよ!! 大喜び!


 さて、好き勝手にアレンジしつつ、牙うさぎまで贈りつけてしまったけど大丈夫だったかな……一夜荘の皆たちキャラ崩壊してないかな……と思いつつ、自由に書いてしまいましたが、楽しゅうございました!

 そして、改めてカサブランカさんお誕生日おめでとうございます!!

 いっぱい幸あれ!!!!!!!!

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