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ドラゴンレディハーフ/若マスター武者修行編①:中編


 という訳で、今度こそドラゴン退治に行くぞーッ!


 既に連れている従者はランタン持ちの賭け事好きなゴブリン、ギャン・ブラーと、若マスターの雇用主レイゲン・ヴァイスエーバー卿の従者の太刀持ち・クリフト。この二人は戦わない従者です。

 戦う従者である剣士は、これの前の冒険である『太陽の墜ちた村』での生き残り、マイペースなヴィルと、明るく能天気なワイズ。

 ここに、ローレンシア王国に来てから、剣士である緊張しいのヨハンと、寡黙なザヒド、そして案内役としてローレンシアの騎士・アドルフを雇用しました。従者は7人で挑みます。


過去編なのでモノクロみ。画像圧縮すると赤めの色が飛ぶ……目の色はもう少し赤みがかった橙色です。
過去編なのでモノクロみ。画像圧縮すると赤めの色が飛ぶ……目の色はもう少し赤みがかった橙色です。

 諸々の事情で時間に追われているので、前置きはさくっと置いておいていざ、前哨砦の指揮官〈鋼龍(クロム・ドラゴン)〉を倒しに行きましょう!(リプレイ本作る時に加筆しようと思います……)

 東洋さんの『ドラゴンレディハーフ』第2回目のリプレイもご覧になりながらだと、更に楽しめる仕様になっている(といいな!)なんですが、ブラーク様とメロウちゃんさん一行は砦に入る前にランタン持ち・フェロークス殿と出会っておりましたね。

 若マスターは恐らく一番槍くらいな感じで入っていたと思われます。何せ強い奴と戦う他に楽しみ見いだせてないですからね。

 という訳で、さてまずは1枚目のできごとをば。



◆砦内1 🎲46 〈魔眼の監視者〉


 砦に入って早々にトラップです。壁に埋め込まれた宝珠から1筋の光が出ていて、それに触れてしまうと警告音が出てしまうタイプのやつです。敢えて警備を薄くしておいて、油断して入ってきた所を入念に準備した諸々で倒す……みたいな!?

 このリプレイ書くまで、「鷹眼」の監視者に空目していて、鷹型のガーゴイルみたいな像の顔がゆっくり動いているイメージでした。よく読んでもらっていいですか?

 

 目標値が出目で変わる、ちょっと珍しいかもなトラップ。どれどれ……🎲3+2=5!

 最大値をたたき出しましたが、若マスターはこれくらい余裕に違いありません!


 ダヴァラン 技量点2+🎲1 ファンブル!!

 なんでだよお!!

 

 実は、リプレイ書かない予定の1回目の冒険でも、初手ダイスロールにファンブルしてました。なのでまたかーい! という気持ちがめちゃ強かったです。


 ここまで堂々としたファンブルっぷり、むしろ避けるとか考えずに真ん中を通ってそうです。

 援軍でも何でも来るなら来い、みたいな強者感。

 もしくは、自分に引き付けておいて、他の人の危険を軽くする……なんて意図もあったのかもしれません。いやごめん無いかもです……。



***


 前哨砦に辿り着き、中へと入り込んだ。砦の内外のあちこちで剣戟の音、怒号や咆哮、悲鳴が響き渡っている。大体、大物というのは砦の奥、あるいは上階にいるものだ。まずは廊下を進み、階段を探すことにする。敵でも現れればとズンズン進んでいくが、待っていたのは壁に埋め込まれ、赤い光線を発する宝珠だった。
「ハッ、龍人どもも人の作った道具を使うのか」
 宝珠はゆっくり左右に向きを変え、辺りを警戒している。要するにあの光線に何かが当たれば侵入を知らせる警報のような役割だろう。
「好都合だな」
「ダヴァラン殿、それは魔眼の監視者です。避けて通りましょ……」
  案内役のローレンシアの騎士、アドルフが声を掛けてきたが無視して堂々と廊下の真ん中を進む。案の定、光線が体に当たると、「ビーッ! ビーッ! ビーッ!」と奇怪な警告音が上がる。
「ダヴァラン殿ぉ!?」
「嗚呼、うちの主はこんな感じなんですよ」
「危険と強いやつ、大好きだからねぇ」
「……(ついてきたの、間違いだったかもだな……)」
 ローレンシア王国に来てから雇ったヨハンが上ずった声で驚いた。前回の冒険の生き残りであるワイズとヴィルは既に慣れたものである。ヨハンと同様に雇ったザヒドは何も言わなかったが、渋面からして俺についてきたのを後悔しているかもしれない。アドルフはというと、困惑していた。……まぁ、無理もない。
「呼び鈴くらいは鳴らしてやらんとな。……来るぞ、構えろ」
 太刀持ちクリフトは、声を掛ける前にスッと後ろについてきた。察しの良い奴だ。愛用の大剣を渡し、この国に来た際に手に入れた『クサナギ』という名の刀を抜く。初めて刀を持つが、案外手に馴染む。悪くはない。先程の警告音に呼ばれて、ガシャガシャと鎧を鳴らしながら、敵の足音が近づいてきていた。

***


 と言う訳で、戦闘だーッ!


〈龍人兵〉
出現数:🎲3+4=7体 レベル:4

 0ラウンド 

 ダヴァラン、クサナギに持ち替え


 1ラウンド 

 ダヴァラン クサナギで攻撃 技量点2+修正3(両手武器、初撃、対【龍族】)+🎲3=8 成功
 剣士ヴィル 技量点1+🎲3=4 成功 
 剣士ワイズ 技量点1+🎲6⇒1 クリティカル!ファンブル!
 剣士ヨハン 技量点1+🎲2 失敗
 剣士ザヒド 技量点1+🎲3 成功
 騎士アドルフ 技量点1+🎲3 成功

 龍人兵7体⇒2体


 半数を下回ったので戦闘終了!


 ☆宝物 

 🎲1 金貨1枚


 やはり有料の従者である剣士ともなると、頼もしさが違いますね!

 難なく撃退しました!


***


「試し斬りさせろ!」
 両手で振るったクサナギは、いとも容易く龍人の鱗を切り裂いた。刀身に流れていた血は、龍の紋章が光るとすうっと吸い込まれていく。もっと、もっと、と血を求めている、妖刀の類に近い感触がある。が、気に入った。
 クサナギの様子を確かめている間に、従者共があらかた片付けてしまった。残党は退避を決め込んだらしい。
「雑魚が。……雑龍、とでもいうべきか」
「ダヴァラン殿、奴らの土産は此方です」
 ワイズが差し出したのは金貨1枚だ。ローレンシア王国のものだから、見知らぬ王族の横顔が彫り込まれている。金貨袋にさっさと仕舞いこむと、遠くで様子を見ていたギャンとクリフトを呼び寄せる。
「旦那がた、早すぎまさぁ。賭ける暇が無かったですぜ」
「戦場で賭け事をするな。行くぞ」
「はっ」

 

***


 お宝はしょんぼりな感じでしたが、次はどうかな!?


***


◆砦内2 🎲15 〈スパイク付き手袋〉


 隠された何かチャンス! 今度はファンブルしませんように!!!!!(切実な願い)


 ダヴァラン 技量点2点+🎲3 成功!

 

 やったー!

 素手攻撃時に、ペナルティー2点を無視することも出来ますし、両手武器を持ってても使用できる優れもの!

【斬撃】が効かない相手に、こちらで殴りつけて【打撃】攻撃! なんてことも可能っぽい?

 荒くれ者のツンケン若マスターにはピッタリの装備品なので、勿論若マスターが装備することにします。


***


 退避していく龍人兵の後を追う。そちらに恐らくは奴らの拠点があるだろう。暴れたりないのは、俺もクサナギも同様だ。しかし、逃げ足が速く、見失ってしまった。
「……ここか?」
 見かけたドアを蹴破って中に入る。後ろでヨハンが何か騒いでいる。
「敵陣なんですから、もう少し用心しましょうよぉ!」
「大丈夫だって、ダヴァラン殿なんだから」
「まぁ、気持ちは分からなくもないけどねぇ」
 中はもぬけの殻だった。外れだ。チッ、と舌打ちして外に出ようとすると、何かを蹴り飛ばした。
「っ、腕……!?」
「……違う」
 アドルフが息を飲む。しかし冷静そうなザヒドが目敏く否定した。それを摘まみ上げてみる。
「グローブだな」
 腕の大半を覆うくらいの長い手袋だ。手の甲の部分にスパイクが沢山ついている。これで殴ればなかなかの攻撃力になりそうだ。
「ふむ。悪くない」
 おもむろに嵌めてみると、サイズはどうやら合格だ。片腕分しかなかったが、いざという時ならこれで事足りる。
「旦那っぽい装備品ですねぇ」
「……ノーコメントです」
「使える物は何でも使う! それが生き残るコツなんだろうさ」
 若干従者たちに引かれているような気もしたが、気にせず部屋を出て次の場所へと向かった。

***


 従者たちに好き勝手言われていますが、その辺りは気にしない懐の深さを持ち合わせる若マスター。

 元々は地元の村でも圧倒的強さによるカリスマ性(と分かりづらいデレ)で将来有望だったのです。まぁ「強い奴と戦う」以外の事を気にしない質とも言えますが!


 さてお次は中間イベント前の3回目です。


◆砦内3 🎲35 〈迫りくる猟犬〉


 犬!?!??!?!?!?!?

 と思ってよく見たらバンダースナッチ! お前こんなところにも!!

 いや逆に良かったかもしれません……犬好きな故に犬を斬れぬ者なので……(若マスターは敵対してくる動物には多分容赦ないとは思うんですが)

 まずは判定、行ってみましょう!


 ダヴァラン 【幸運ロール】 技量点2+🎲6 クリティカル!

 ナイス!

 これでバンダースナッチは、別の勇士が弓矢で足止めしてくれるので、事なきを得ます。

 さて、東洋さんのリプレイを見ますれば、3回目に〈女射手・リルカ〉さんと出会ってますね。ここの勇士は弓矢装備してくれてますし、若マスターがブラーク様一行より先行している雰囲気で進んでますので、ここはさらっと彼女に登場して頂きましょう。


***


 クン、と匂いを嗅いでみる。血の匂いが濃い方へ向かうべきだろう。
「ダヴァラン殿、犬っぽいねぇ」
「でっかい猟犬とかだろうな~」
「(分かる……)」
 ヴィルとワイズの暢気な呟きに、ほぼ全員が小さく頷いている。アドルフとクリフトは耐えられたようだ。流石は仕え人、愚弄と捉えられかねない行動は慎めている。もう少し見習え、全く。溜息を吐いていると、聞き慣れぬ音を捉えた。
「……何だ?」
 ハァハァと息を切らすような音、四つ足の獣が駆けて来るような足音。大型の、犬のような。進行方向とは異なる部屋の先に、何かがいる。
 バン、とそいつが体当たりしてドアを開けた。
「う、うわぁぁぁあ!?」
「……バンダースナッチか!」
 3の数字に固執する獣。何故こんなところに。砦で飼っていた、にしては少々危ない生き物だ。龍人どもが連れてきたにしては違和感もある……が、由縁はさておき、全速力でこちらに向かってくる。進行方向の側面からやってきたので、果たして従者どもと激突する前に間に合う、か……。
 ヒュン、と風を切って、後方から矢が鋭く飛んでいった。狙いは正確で、バンダースナッチは苦痛に呻いた。俺たちの従者には弓を扱う者はいない。
「……誰だ」
 矢の飛んできた方向を睨みつける。敵か、味方か。殺気を飛ばしてみたが、動揺した気配はなかった。
「とりあえず味方よ。それに誰だって良いでしょ。ここはわたしに任せて」
 明るくも強気そうな声が響いた。後方の柱の陰から現れたのは、人間種族の娘。年の頃は、あのお坊ちゃんの連れていた銀髪の娘よりはやや上といったところだろう。頭に羽根飾り、朱塗りの胸当てを装備している娘は、使いこまれた弓矢を手にしていた。
「一人でやれるのか」
「秘策もあるのよ。それをちょっと試してもみたいの。だからむしろ邪魔なの。早く行ってちょうだい」
 しっし、と追い払うような仕草をしながらも、先程のバンダースナッチから目線は逸らしていない。腕の良い狩人なのは見て取れた。ここで狩りを続けるというなら、遅れてやってきそうな奴らにも出くわすかもしれない、と思い立つ。
「……俺と同郷の、騎士の坊ちゃんブラークとお付きのメロウ。見かけたらさっさと帰れと伝えろ」
「人相も分からないのに伝言? ってちょっと待って!」
 さて、と次の部屋に向かおうとした所、今度は呼び止められた。行けと言ったり待てと言ったり、どちらかにしてもらいたいものだが。
「何だ、さっさと行けと言ったのはお前だろう」
「いやそうだけど、お礼は!?」
「……感謝する?」
「何で疑問形なのよ……まぁいいわ、ご武運を。ラドリド訛りさん」
「いやほんとすみませんね~、俺たちはめちゃくちゃ感謝してますんで!」
「良い腕だった。気を付けてねぇ」
 納得したのか、それ以上は何も言ってこなかった。無傷で済んだ従者たちは、口々に娘に礼を述べている。娘相手だと愛想が良いのは困ったものだ。

「……同郷。そっか、ラドリド訛りの二人組ね」
 動き出そうとしたバンダースナッチにもう一射を見舞って撃退しつつ、『秘策』の準備を始めながら娘は呟いたのだった。

***


 リルカさんの『秘策』については、東洋さんリプレイのできごと2を参照のこと!

 きちんとどういう仕組みで作られたのか、というのが文字通り練られてあって、めちゃ感心したポイントだったりします。


 さぁて、中間イベントは、ブラーク様一行とも邂逅致します。

 その点も含めて行ってみましょう!



◆砦内4 中間イベント 〈龍人の近衛兵〉


出現数:🎲2+3=5体 レベル:4

 まずはさくっと、 戦闘だーッ!!

 対龍人なので、武器はクサナギのままです。



 1ラウンド 

 ダヴァラン クサナギで攻撃 技量点2+修正3(両手武器、初撃、対【龍族】)ー1+🎲1=8 ファンブル!?
 剣士ヴィル 技量点1+🎲6⇒2 クリティカル!⇒失敗 
 剣士ワイズ 技量点1+🎲4 成功
 剣士ヨハン 技量点1+🎲6⇒3 クリティカル!⇒成功
 剣士ザヒド 技量点1+🎲1 ファンブル
 騎士アドルフ 技量点1+🎲1 ファンブル

 龍人の近衛兵5体⇒2体

【死ぬまで戦う】ので続行


 ダヴァラン 防御1回 🎲6 クリティカル! 【受け流し】発動 🎲1 ファンブルだなぁ……
剣士ヴィル 防御1回 🎲1 ファンブル!
⇒ダヴァラン【かばう】 筋力点8+🎲3=11 成功! 筋力点8⇒7

 出目が荒ぶってますね。

 一応解説を入れておくと、若マスターは、戦士の中級レベル以上で取得できる、【受け流し】を取得しています。これは、両手武器を持っている際、【防御ロール】にクリティカルした場合に使用でき、防御の手番ですが【攻撃ロール】を行える、しかも筋力点の消費なし! の優れもの特技!


 まぁ今回はファンブルしたんですけどね!!!😢


 ドライでツンケンではありますが、従者を【かばう】ことはする男。

 流石に次は攻撃で輝いてくれよな!?


 2ラウンド 

 ダヴァラン クサナギで攻撃 技量点2+修正2(両手武器、対【龍族】)ー1+🎲3=6 成功
 剣士ヴィル 技量点1+🎲6⇒3 クリティカル!⇒成功

(※折角なので全員振ってます)
 剣士ワイズ 技量点1+🎲4 成功
 剣士ヨハン 技量点1+🎲5 成功
 剣士ザヒド 技量点1+🎲5 成功
 騎士アドルフ 技量点1+🎲6⇒1 クリティカルファンブル

 龍人の近衛兵2体⇒0体

 戦闘終了!



 ☆宝物 

 🎲1+1=2 🎲3枚の金貨


 従者の優秀さで何とかなっている……。

 龍人さん、お宝持ち歩かない主義なんでしょうか。

 さてさて、こちらの戦闘はこんな感じでした。ブラーク様が対峙した近衛兵たちは4体。ですので、本来であれば最大の9体いたことにして、半分以上は屠った雰囲気で仕上げましょう。


***


 階段を見つけて登っていく。
 登った先には体格の良く鎖鎧に身を包んだ龍人が陣形を成し、それを突破出来ずに悪戦苦闘する冒険者たちがいた。既に何人かは倒れ伏している。
「どけ」
「援軍か、助かる……!」
 先陣は切れなかったが、仕方あるまい。クサナギを構えると、冒険者や騎士たちはさっと身を引いた。弱き者は戦線離脱するのも良いだろう。
「先程の逃げ足の速いトカゲどもより、多少はマシか。気を付けてかかれ」
 従者どもに声をかけると、皆頷き返した。
 まずは、俺が陣形を突き崩す。
 そう決めて、踏み込みと共に突撃を仕掛ける。しかし、意外にも防御が固い。黒塗りの盾に弾かれ、クサナギは悔しそうに鳴いた。
「〈鋼龍〉の従者は伊達じゃない、か」
「隙ありィ!」
 動きの鈍った俺に向け、龍人どもが防御の陣形から攻撃に切り替わる。そこに、従者どもが雪崩れの如く畳みかけていく。
「そっちこそ、隙だらけだよぉ」
 ヴィル、ワイズ、ヨハンが的確に敵の急所を突いた。しかし、ヴィルは敵を打ち倒した事に精一杯で、その後ろからもう1体の龍人が曲剣を振り下ろそうとしている。
「……チッ、手間のかかる……!」
 素早く向かって剣を受け止める。ヴィルは……無事な様子でにへらと笑った。
「ありがと~」
「もう少し、緊張感を持て!」
 話しているのが隙と見えたか、別の1体が斬りつけてくる……が、うまく受け流して逆に攻勢に転じてやった。だが、相手もサッと避けてみせる。重武装している割には機敏な動きだ。
「お得意の防御はやめたのか? 鱗に鎧に、余程痛いのが怖いと見える」
 従者どもに3体を倒されて、随分と隙だらけになった。集まらなければ強くあれないのか、と少し落胆してしまう。やはりこの砦の中で唯一俺の『渇き』を癒せそうなのは、敵の親玉くらいだろうか。
「貴様ッ、我らを愚弄するカッ……!」
「正当な判断だ」
 飛び込んできた血気盛んな龍人の首を断ち切る。もう少し言いたい事もあったのだろうが、言葉の途中で事切れた。戯言を聞いている程、暇ではないのだ。
 従者どもも奮闘し、残るは隊長と思しき1体と、他3体。
 一歩踏み込むと、じり、と奴らは後ずさる。気圧されているようだ。どこからかかってきてもらっても構わないというのに。
 そこへ、聞いた事のある足音が階下から届く。
(……あの娘、伝言を伝え損ねたか)
 現れたのは、お坊ちゃんとエルフの娘。怪我はあるようだが、まだ元気そうなお坊ちゃんの方は、戦況を即座に把握したようだったが、連れの娘はきょろきょろと辺りを見回すばかりで、ヴィルに負けず劣らずの緊張感の無さだ。
 やはり、戦場慣れしていない小娘を連れてくるなど、どうかしている。
「遅かったな。女連れとはいいご身分じゃないか」
「うえっ!」
 嫌そうな声をあげる娘はさておき。
「ダヴァラン殿、どうやら誤解があるようだ」
 などと言葉を連ねようとするお坊ちゃんに気が削がれた。戦意をほぼ喪失している、役目だけでその場にいるような龍人も、俺の相手ではない。
「言いたいことがあるなら、剣で言え。譲ってやる」
 ここで倒れるようなら、俺の目が節穴だった、というだけだ。レイゲンには嘆かれそうだが、腕を組んで様子を見る。
(……ほう)
 ――予想以上だった。
 エルフの小娘の矢を弾いた一瞬の隙を突き、お坊ちゃんは首を落とす。そのまま3体に囲まれ、一撃は食らうも、回転斬りの要領で一気に3体とも屠ってみせた。重さはもう少し筋力が育ってから、だが剣筋の鋭さは目を瞠るものがあった。
 見事だった、と言う前に、お坊ちゃんはこちらを睨んだ。
「これで宜しかったかなダヴァラン殿。私は騎士道に則り、売られた喧嘩は買うことにしている」
 それも、予想以上だった。てっきり、のらりくらりと躱すのではないか、と思っていたのだ。真っすぐな眼差しの奥に潜むのは、俺の中にもある激情に似ていた。
(……ハ! 思ったよりは楽しめそうだ)
 買われた喧嘩は、後ほどに取っておくことにしよう。


 東洋さんのリプレイの台詞など一部を引用させて頂きつつ……こんな感じに仕上がりました。

 

 ファンブル出してたのに、この偉そうな感じよ!!!!!


 まぁブラーク様一行には見られてないのでね、セーフという事で。

 一応戦闘もあったけども無傷だし??? 強者感は出てそうかなって事で……!

 

 と言う訳で中編はここまで!

 後編は最終イベント〈鋼龍〉戦まで参ります。2組の主人公が向かった場合、ボスは一体どうなってしまうのか?

 気になる方は東洋さんによる『ドラゴンレディハーフ』第2回目のリプレイをご覧ください!


 若マスター側もなるべく早めの更新をしたいところ……! 多分いけるはず!

 ではでは、良き冒険のあらんことを!

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