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ドラゴンレディハーフ/若マスター武者修行編①:後編


 という訳で、いざドラゴン戦!


  前編はプロローグとオープニング、中編は中間イベントまでをお送りしました。前半は若マスターも従者も共に無事でしたが、後半はどうなるでしょうか……そしてドラゴン戦やいかに!

 と言う訳で早速行ってみましょう!

過去編なのでモノクロみ。画像圧縮すると赤めの色が飛ぶ……目の色はもう少し赤みがかった橙色です。
過去編なのでモノクロみ。画像圧縮すると赤めの色が飛ぶ……目の色はもう少し赤みがかった橙色です。

 東洋さんの『ドラゴンレディハーフ』第2回目のリプレイもご覧になりながらだと、更に楽しめる仕様になっている(といいな!)です。

 中間イベントでは、ブラーク様との誤解によるバチバチが拝めます。ファンブル多めだったのに偉そうで恐縮です。


 さてさて、そんなブラーク様とメロウちゃんさん一行と別れて、5枚目のできごとに参りましょう。



◆砦内5 🎲15⇒16 〈令嬢のペンダント〉


 出目15の「スパイク付き手袋」は既にめくっておりますので、その次の出目16です。

 龍たちですら畏敬の念を抱かせるような美しさの、気品の漂う若い女性の肖像画が収められたロケットペンダントらしいのですが、一体このご令嬢は何者なのか……。ローレンシア王国を守護する三女神様にも、龍人たちは畏怖を抱いてそうな感じなんですよね。何となくモチーフになった「竜の血を継ぐ者」に由縁がありそうな気配がするのですが。

 ん? 竜の血を……継ぐ者……??? もしかしてドラゴンレディ……ってコト!?(※諸説あり)

 龍人っていわば龍と人のハーフじゃないですか? つまり龍と人の異種族カップルがいた可能性もありそうじゃないですか!?!?!??!?!??!(異類婚姻譚大好きオタク)


 三女神様のいずれか、もしくは三人ともと龍の子どもたちが龍人みたいな……その三女神さまの血族に連なるのが肖像画の女性とか、とかとか……(考察得意じゃないけど楽しいので好き勢)いやはや気になる~!!

 やはりいつかゲットしてプレイしてみたいものです……! 絶対楽しそう。

(ガラドゥーン様が「血を分ける」みたいな事仰ってたので、そんな感じかもしれません。眷属的な? 吸血鬼的な? それもまた浪漫のある話です……☺️)

 

 閑話休題(それはさておき)。

 若マスターが発見出来るかの【器用ロール】と参りましょう。


 ダヴァラン 技量点2+🎲3 成功

 無事に発見出来ました!

 本人が使うかどうかは分かりませんが、見つけたのであれば拾っておきましょう。

 


***


 あの場で決闘を始めても俺としては良かったが、誇り高い騎士を目指すお坊ちゃんはまず任務を優先するらしかった。で、あればさっさとドラゴンを始末して、気兼ねなく刃を交える事にして、先へと急ぐ。
 目の端に、キラリと光る何かを見つけた気がしてふと立ち止まる。ギャンにランタンを掲げさせると、こんな砦に場違いな程に美しいペンダントが祭壇めいた場所に置かれていた。
(……若い娘の肖像画、か)
 龍人どもも手をつけなかった場所らしく、そこだけ妙に綺麗に整っている。まるで龍人が近づけない結界でも張られていたかのようだ。そんな魔力でも込められているのかと思えば、そんな様子も感じられない。
「別嬪さんじゃないですか。旦那の好みかどうか賭けて……」
「好みじゃない。だが」
 龍人どもの強さも程度は知れた。俺の『渇き』を癒すような者はいない。なれば、そいつら雑魚と戦う時間が惜しい。これが龍人どもを退ける効果があるようなら好都合だ。ペンダントを懐に仕舞う。
「でも持ってくんだぁ」
「まぁお宝っぽいしな」
「行くぞ」
 やはり暢気な従者どもは置いてくるべきだったと思いながら、先を急いだ。

***


 さくっと5枚目を終えました。6枚目からは最終イベントへの確率が上がっていきます。さて、先を急ぐダヴァラン一行の運命やいかに1


***


◆砦内6 🎲51 〈ラットオシウム〉

出現数:🎲1+🎲2+1=4 下限7体 レベル:3


 弱いクリーチャーか~。サーベルタイガー的な牙の生えた最強のげっ歯類……の骨状態のクリーチャーだそうです。ちょこちょこ太古の恐竜っぽい時代を感じますね。

 強いクリーチャーであれば、戦うのも悪くない、とか言って若マスターも戦うかもしれないんですが、もう心がブラーク様との決闘一色ですからね……。従者の事を暢気なものとか言えないんだよな。

 なので、敵の数が多いのがちょっと気がかりですが、レベルも3ですし、【逃走】して違う道を進みましょう!


【逃走】
 ダヴァラン 防御4回 技量点2+修正1(魔法の板金鎧)+🎲3,1、2 成功2、ファンブル! 
 ダヴァラン 生命点10⇒9
(※4回分の出目が書かれてなくて、小首を傾げています……凡ミスゥ……)

 剣士ヴィル 防御1回 技量点1+🎲2 成功

 剣士ワイズ 防御1回 技量点1+🎲1 ファンブル! 
 ダヴァラン【かばう】 筋力点7+🎲6 クリティカル! 筋力点7⇒6

 剣士ヨハン 🎲1 ファンブル……! 脱落……!!


 アアアアアアアアアア!!!!!!!!!

(※若マスターの特技【かばう】は1ラウンドに1回だけしか使えないのでした……)

 ネズミは侮るなって……黄昏の騎士でよく学んでいたのに……いや若マスターは黄昏の騎士って無いんですが……。

 と言う訳で、ローレンシア王国で雇用した剣士ヨハンは脱落です……😢


***


「待ってくだせぇ、旦那~!」
 従者どもと少し距離があいてしまった。静かに追走する太刀持ちクリフトと、ランタン持ちのギャンは小走りで俺についてきていたが、話などしながらついてくる従者どもは明かりの届かない場所にいる。
「おい、急ぐと言って……」
 言いかけて、暗がりに光る眼が見えた。まずい、狙いは従者どもだ。
「避けろ!!」
「うわ!」
「な……ッ!」
 ザヒドとアドルフを突き飛ばし、襲い掛かってくる敵の攻撃を凌ぐ……が、流石に一撃を食らった。上下四本の牙が異様に長く鋭い、大きめのネズミだ。
「ラットオシウムです、群れで動きます!」
 アドルフの説明に目を走らせれば、確かに気配が一つ、二つ、三つ……七つ程ある。不意打ちを受けたような状態では、態勢を立て直すのも危うい。檄を飛ばす。
「走れ!」
「わー!」
 ヴィルは間一髪避けたが、ワイズの足がもつれた。その隙を逃さずに牙を剥いてくるネズミより早く、ワイズを引き寄せる。
「す、すみません」
「さっさと行け」
「う、うわあああああ!」
「ヨハン!」
 一番遅れがちだったヨハンが、ラットオシウムに四方を囲まれてしまっていた。助けに行こうにも、他の三体に阻まれて隙が無い。
「い、行ってください、ダヴァラン殿……! 貴方にはやるべき事がありますから……ッ」
「……いいんだな」
「先程の若騎士の技、真似てやりますよぉ……! 俺は、弱い自分を変える為に、ダヴァラン殿みたいな強い男になる為に、冒険に出たんだ……!」
 涙目で及び腰、強がりであることは簡単に窺えたが、奴の覚悟は受け止めた。
「精々男を上げる事だな」
 泣きながら笑ったヨハンを置いて先を急ぐと、奴の同期らしき寡黙なザヒドが珍しく俺に声をかけてくる。
「……俺も」
「いや。行くな」
「しかし」
「俺たちはネズミ退治に来たんじゃない」
「それでも……それでも!」
 アイツは俺の友人なんです、という悔しそうな小さい声は、震えていた。
「奴の勇気は無駄にはしない。ヨハンは強い。俺は生涯忘れる事はないだろう」
 ザヒドはもう何も言わなかった。
 振り返らずに先を行く。

――武者修行の旅に出てから、何人もの従者を失ってきた。

 地下墓地で出会い、俺を庇ってゾンビになったランタン持ちのアンドン。
 砂漠の村からついてきて、悪魔との戦いで敗れたアディルは戦乙女の庭で待っている。
 同じく砂漠の村からついてきたエラム、ファリド、そして闘技場で出会って散っていったグレアム、ミック、レスター、ケヴィン、ヒューゴ、イアン、ジョエルたち。
 弓兵クィン、ロブ、剣士ザンドルはヴォルカンノームの灼熱に倒れ、弓兵パットと剣士ウルバノはマグドレイクの炎に焼かれて倒れた。
 
 俺は道中でどうなっても良いと思っているが、奴らは違う。帰る場所があり、やりたい事や夢なんぞもあっただろうに。
 ヨハンも恐らくは無事では済まないだろう。

 俺に出来るのは、奴らを忘れぬことだけだ。

「……ダヴァラン殿」
「何だ」
 今度はクリフトだ。非難の一つでもくれるのかと思ったが、違った。
「私は、貴方についてきて良かったと思います」
「……そうか」
「貴方の強さは、吹き荒れる砂漠の嵐のようではありますが、背を押す追い風でもあるのですね」
「レイゲンの受け売りか?」
「いいえ」
 クリフトは小さく微笑むと、「行きましょう」と静かに言った。

***


 ヨハン😢😢😢

 リプレイ本にするときはもう少し描写を増やすからね……。

 と言う訳でとうとう脱落者が出てしまいました。

 若マスターは既に8、9シナリオくらい通過してまして、従者の兵士や剣士は大体頭文字がA、B、C……となるようにしております。冒険の途中で出会ったりしたギャン・ブラーだとか今回のクリフトさんなどの戦わない従者はその法則ではないですし、無事に生き残って別れた人もいるにはいるんですが、もう既にZまで来ちゃってるのですよねぇ……失うものの多い冒険を重ねております。アルファベット二週目はしたくないところ!!!!!!!!(従者倒れると悲しい者かつネーミングに時間のかかる者の切実な叫び)


 ドラゴンレディハーフより以前の話にはなるのですが、いずれシナリオ紹介も兼ねてリプレイは書きたい所であります……が、まずは今回のお話を進めましょう。


【逃走】しましたので、d66を振り直します。さて、逃げた先は安全でしょうか……。



◆砦内6 振り直し 🎲44 〈選別の刃〉


 罠だーッ!?!??!?!?!?!?

 しかも戦わない従者をランダムで……!

 ランタン持ちギャン・ブラーか太刀持ちクリフトさん、どちらが倒れても困るのですが……!

 ここは奇数だったらギャン、偶数だったらクリフトさんにしましょう。


🎲2⇒クリフト 【器用ロール】 技量点0+🎲2 失敗……!!

 お別れが続く……!

 こういう時、【察知】が欲しくなりますね……。

【かばう】は【防御ロール】に失敗したときの使用なので、今回は出来ず……😢

 レイゲンさんお付きの従者であったクリフトさん、ここで無念のお別れです……!


***


 同行者を失う形となって、流石にマイペースなヴィルも楽天的なワイズも、賭け狂いのギャンも無言で、クリフトは俯きながら、静かについてくる。ザヒドはしきりに後ろを気にしていたが、ヨハンの悲鳴も雄叫びも聞こえることはなかった。
「この先は」
「作戦室があります。そこに続く大広間があって、有事の際の兵士などはそこで待機することも」
 龍は図体がでかい。そこにいそうだ、と当たりをつけて大股で進んでいく。石壁の廊下を突き進むと、浮き彫りの施された重そうな扉が見えてきた。あそこだろう。見張りや護衛の龍人も見当たらず、随分と脇が甘い……と、目的地を前にすっかり油断した。
 そう、人の喜ぶ瞬間というのは気が緩む。激しい戦の勝利の後。空腹を耐えた後の食事時。そういう時に、罠を仕掛けるのだ。
「ダヴァラン殿!」
 背後にいたクリフトが、全身で体当たりをしてきて、思わず前につんのめった。
「何を……」
 しやがる、と言いかけて。ジャキン、と壁から飛び出してきた鋭利な刃に、クリフトが貫かれ。隣にいたギャンと、他の従者たちの叫びが廊下に響き渡る。
「クリフト!」
「あ、足元……お気をつけ、ください。床に仕掛け、が」
「喋るな」
 傷に障る。刃は急所をしっかり貫いていて、助からない事は目に見えていた。が、死ぬ前に苦しむ羽目になる。罠から離れて、クリフトの体を横たえると、痛みに呻きながらもそれでも言葉を繋げた。案外、強情な奴だ。
「ゴホッ、先程、申し上げた通り……私に悔いはあり、ません。ただ、レ、レイゲン様には……」
「伝える。何だ」
「ぶ、じの…帰還を為せぬ、こと、申し訳……それと、感謝、を」
「分かった」
 大きく頷き、手を握りしめてやると、クリフトはまた最後にふっと微笑んで、動かなくなった。
「……」
 クリフトはセルウェーの信者だ。目を閉じさせ、手を胸の前で交差させてやる。クリフトに預けていた自分の大剣を背負い直し、立ち上がる。今回はクサナギを活躍させてやることにしよう。
「クリフト殿……」
「回収は後だ。先に行く。必ず俺の後についてこい」
 アドルフはローレンシア式の、ヴィルとワイズはラドリド式の、ギャンまでもがゴブリン流の、黙祷を捧げた。それが終わるまでは待ってから、死ぬ間際にクリフトが教えてくれた、床の仕掛けに注意しながら進もうとした時だった。
「……またか。そうやって、従者を踏み台にしていくのか」
 ザヒドだった。怒りに燃えた眼差しで、こちらを睨みつけて来る。ワイズが口を開きかけたが、ヴィルが止めた。
「そうだ」
「貴様……」
 ザヒドが剣を抜く。今にも斬りかかってきそうだが、俺は剣には触れなかった。……嗚呼、
「俺だけでなく、誰しもそうだ。誰かが選ばれる。選ばれない奴がいる。自分が選ばれる時もあれば、代わりに選ばれる奴がいる。喜びにも、悲しみにも」
 今回、死に選ばれてしまったのはクリフトだった。奴を悼んでいる間に、龍たちによって、更に死に選ばれる者が増える。それはきっと、クリフトは望まないだろう。
「踏み越えて、進む。選ばれなかった俺たちに出来るのはそれだけだ」
 いつか、自分が死に選ばれる日まで。それが寿命か、病死か、事故死か、他殺か、などの違いくらいだ。俺の場合は、『渇き』に耐えられなくなって、だろうが。
「……ッ」
「ただ。無駄死ににはさせない。絶対に」
 ヨハンの勇姿も。クリフトの献身も。
 俺のような、狂いかけた男に憧れなど抱いてしまった馬鹿者たち。
「結果は残す。行くぞ」
 背を向けたが、ややあって、剣を仕舞う音が聞こえた。

***


 ザヒドさん😢

 彼は今回から従者になった方だったので、まだ若マスターコノヤロウ! くらいに思ってそうだったので、怒って頂きました。普段寡黙な方が怒るのってよっぽどの時だと思うのです。

 ヴィルさんワイズさんは、前回の冒険である『太陽の墜ちた村』にて、亡くなった従者を丁寧に弔う若マスターの姿を見てますので、ただの戦闘狂ドライツンツントゲトゲマンではなくて、情け深い(けど口が悪いし言葉が足りない)事は分かってくれていて、同行している感じです。

 若マスターの冒険録が前後してるので、その辺りの機微はまた追々、リプレイ本などでしっかり……。


 余談として。

 ドラゴンレディハーフの1回目と3回目の冒険は書かない予定なんですが、3回目の時にラットオシウムが再び出まして。しかも12体。しかし、ヨハンさんの弔い合戦とばかりに攻撃仕掛けたんですが、その時、ワイズさんもクリティカル1、ザヒドさんはまさかのクリティカル3連続からの成功。結局全員成功して、1ラウンドで一気に10体倒しまして……【逃走】せずにいれば、多分蹴散らせた筈だったろうな、と私も(勿論若マスターも)悔しかったんですが、ザヒドさんは余程、彼を失うのが悔しかっただろうな、ラットオシウムを恨んだだろうな、と……(思って友人設定にしました)(鬼か?)。



 いやしかしですね。


 つらいよぉーーーッ!!!!!


 従者プレイを避けてる一番の理由がこれに近いかもしれないです。リプレイ書かない場合はもうちょいカジュアルに……いや、普通に奇声を上げてましたわ……。


 従者をリソース扱いする戦い方もヨシ、こうやって一人一人大事にするもヨシ、なローグライクハーフはいいぞ!!!!!!!!!!!!(情緒大丈夫かな)


 さて、色んな思いや覚悟を持って、砦を奥へと進んでいきます。ブラーク様がたはとある強いクリーチャーと激戦が終わったくらいでしょうか。彼とも実は3回目で会うのですよね。それはさておき、若マスターは、全て背負って進みます。




◆砦内7 🎲23⇒最終イベント 〈鋼龍レオドリック〉


 コラボなので、最終ボスは共闘? かと思いきや。

 東洋さんの案で、何とボスが双子の龍! しかも本来のレオドリック(兄)は譲って頂ける事になりました。弟龍であるスースドリック、ブラーク様によって大変な目に遭うのですが、かわいそ可愛いってこういう事かな……ってちょっと思ったりしちゃいました(?)。


 まずは遭遇から始めてみましょう。


***


 重厚な扉を蹴り開ける。目の前にいるのは、金属めいた黒光りする鱗を持つ龍。が。
「2匹だと……?」
 巨大な鏡でも置かれているのかと思ったが、呼吸によって動く腹の動きが異なる。瞬きもだ。王子や側近の話ではそんな事は聞いた覚えがなかったが。
「近衛兵を打ち倒すとは、さすがは『私たち』を始末する為に送り出された勇士だ。見事な腕前だ」
「でも、さすがに『僕たち』を同時には相手できないよね、人間?」
 片方は大仰に、もう片方はからかうように。どちらもこちらを下に見ているのはすぐに分かる。
「双子の龍か」
「そうだ。私の名こそ『鋼龍レオドリック』」
「僕が弟の『鋼龍スースドリック』」
 二匹はやはり鏡合わせのように胸を張った。巨体の至る所にある傷痕まで、同じなのが不思議な所だが。律儀に名乗った二匹だが、その後は兄のみが口を開いた。
「この前哨砦は我々にとっても重要な拠点だ。むざむざ敵に渡す訳にはいかないのだよ。お前たちの息の根を止めたら、ここはスースに任せて屋上の〈滅龍砲〉を、王国にも撃ち込めるようにしなければならん」
「レオ兄さん、忙しいでしょ。なら一緒にさっとぺしゃんこにしちゃおうよ」
「ならん。ここまで来た勇士には、偉大なる龍と剣を交え栄誉ある死を遂げさせねばなるまい。さぁ、我らのどちらと戦うか、選ばせてやる」
 龍は寛大な態度を見せつけ、優位なのを信じ込んでいる。慈悲である、という訳だ。

――双子。
 俺にも魂を分けた兄がいる。兄の方は俺と違い頭が良く、魔術の腕も冴えていた。人を使う術に長け、人海戦術によって〈鎧砂虫〉を狩るタイプ。実力と腕力で解決しようとする俺とは真逆で、反りは合わなかった。ただ、俺と同じように何かに焦がれ、狂っていった。行方は長姉のファハルナ姉さんも知らないという。
「兄の方だ。倒させてもらうぞ」
 兄が……ゾラヤが龍であったなら、こんな形を取るかもしれない。鋭く、研ぎ澄まされた刃のような男だったからだ。
「人間、口の利き方に気をつけなよ! レオ兄さん、こんなやつ僕が……」
「一度言った事を覆すな、スース。それは矮小な生き物のやることだ」
「ちぇ、ここで待ってるだけなの、つまらないのに」
「別に両方かかってきてくれても、俺は構わんが。……恐らく、『暇つぶし』はやってくるぞ」
 まだここにはいない坊ちゃんの顔を思い浮かべる。さほど時はかからずに、来るだろうと思った。

 

***


 こんな感じかな!?

 流石に2体同時は従者が全滅するのでぇ!!

 と言う訳で、〈兄龍レオドリック〉様との、戦闘だーッ!!!!

 もう絶対に犠牲者が出ませんように!!!!!!!!!!!


 と言う訳で、万全を期す為に「令嬢のペンダント」を使用します。今回のシナリオのみとはいえ、使用回数が書いてない(=使い放題な)のがほんと強い。

「手がかり」が1つも無いので、あとは実力行使です!

 レベル6、生命点8点で、防御ファンブルだとカウンターもしてくる強敵。

 いざ、尋常に勝負!


 

 0ラウンド 


ダヴァラン 令嬢のペンダントを使用 【防御ロール】に+1修正

レオドリックの【炎】 【対魔法ロール】
ダヴァラン 技量点2+🎲4=6 成功!
剣士ザヒド 技量点1+🎲5=6 成功!


 1ラウンド 

 ダヴァラン クサナギで攻撃 技量点2+修正3(両手武器、初撃、対【龍族】)+🎲2=7 成功 

 若マスターが初撃を決めてくれました!!

 ダメージを与えるたびに、【幸運ロール】判定をします。目標値は驚異の8!

「手がかり」があれば自動成功なんですが、若マスターは一切情報ゲット出来てないので……これに成功すると、弱点をついた事になり、今回のダメージも3点。しかも以降レベルが5になるのでだいぶ楽になります(それでも充分強いんですが!)。

 さて、幸運の女神は微笑んで下さるのか!


ダヴァラン 【幸運ロール】 技量点2+🎲6 クリティカル!

 おおおおおお!!!!!!

 

 やってくれました! ノー手がかりで!

 幸運ロールは割と成功しがちな男、若マスター。


レオドリック 生命点8⇒5 レベル6⇒5

 これで従者たちも攻撃が多少通りやすくなる筈です。いざいざ!


剣士ヴィル 技量点1+🎲2 失敗
剣士ワイズ 技量点1+🎲4 成功
剣士ザヒド 技量点1+🎲1 ファンブル
騎士アドルフ 技量点1 ファンブル

レオドリック 生命点5⇒4

 あの……

 これプレイしてる時は……

 若マスターのクリティカルで狂喜乱舞してたので……気づかなかったんですけど……


 完全にカウンターのこと忘れてるじゃん……


 おろかものー!!!!!!!!


 いやでも待ってください、急所突かれて3点ダメージも受けてるんですよ。1点でもなかなかなのに、一気に3点ですよ。もうヤバいくらい痛いと思うんですよ。レベルが下がる程なんですよ。

 その状態で「鮮やかな宙返りで回避すると同時に、尻尾による強烈なカウンター攻撃」が出来ると思われるでしょうか?


 いや~~~私は思わないかな~~~~?(クソデカボイス)


「手がかり」無しでのクリティカルの恩恵という事で、ど、どうか一つ見逃してやってください……もう従者減るのも耐えられないし……激戦をやり直しせねばならないので……。


 と言う訳でPL(自分)に激甘判定GM(自分)で続行!

 反省はしている!!!!!!


ダヴァラン 防御1回 技量点2+修正2(魔法の板金鎧、令嬢のペンダント)+🎲3=7 成功 

剣士ヴィル 防御1回 技量点1+修正1(令嬢のペンダント)+🎲1 ファンブル!
ダヴァラン【かばう】 筋力点6+🎲5=11 成功 筋力点6⇒5

 ファンブルがあまりに怖すぎる。

 それでは2ラウンド!


 

 2ラウンド 

ダヴァラン クサナギで攻撃 技量点2+修正2(両手武器、対【龍族】)+🎲6 リティカル! 【強打】発動!

レオドリック 生命点4⇒1

剣士ヴィル 技量点1+🎲2 失敗
剣士ワイズ 技量点1+🎲3 失敗
剣士ザヒド 技量点1+🎲4 成功
騎士アドルフ 技量点1+🎲3 失敗

レオドリック 生命点1⇒0

 解説しておきますと、弱点をついた後、クリティカル攻撃だと1点ダメージ追加されます。なので2点ダメージ。本来だと【攻撃ロール】がクリティカルの場合は、もう一度【攻撃ロール】をしますが、戦士の中級技能【強打】はその追加【攻撃ロール】をしない代わりにダメージを1点増やす……確定なのです。しかも筋力点消費なし。強すぎる。

 クリファン乱舞しがちなPLなので、早めに取得しといたものなのでした。なので、クリティカル分が2点ダメージ、【強打】によって+1点ダメージ、合計3点ダメージです。


 2ラウンド連続で一気に3点ダメージ?? 可哀想……。


 徐々に削れて3点ダメージ、よりもドッカーーン!!!! みたいな、爆発級のダメージのイメージです。それを叩きだせるの、もう化け物なんじゃないかなぁ(他人事)。巨大なクリーチャーたちだって2点ダメージですからね。


 まさかの2ラウンドで戦闘終了!

(本来倒れているザヒドさんが攻撃成功してるので、正しくはもう少し戦闘続くんですが……)



 ☆宝物 

 🎲5+2=7 魔法の宝物!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


🎲4 「追憶の日記帳」をゲットしました。


 これのお陰で、若マスターが冒険録をしたためるのを始める事にして、ドラゴンレディハーフの冒頭の日記帳に繋がる、という訳なのでした。まさに「追憶の日記帳」です。これの本当の効果を使わずに、何とか若マスターをレベル30以降まで育てていきたいところ。


 ブラーク様一行は、というとキノコを沢山採ったご様子でしたね。

 おかしいな、同じ時間軸で冒険をしているのに、全然キノコ見かけませんでした。

 美味しそうな記述なので、気になる所ですね🍄


 さて、最終戦の仕上げと参りましょう!

 こちらは2ラウンドで終わってしまったのですが、ブラーク様とメロウちゃんさん一行がいらっしゃる前に何やかやしますか……。


***


 スースドリックが大広間の脇に移動し、つまらなさそうに寝そべった。
 レオドリックが体を起こし、戦いの姿勢を取る。
「来るぞ、炎だ」
 そっと従者どもに囁く。人間どもを下等だと思っていて、『龍』らしくある事に固執している。で、あれば最初の一撃は。避けるべく、姿勢を低くしていつでも駆けだせるようにした時、懐からぽろり、とペンダントが落ちた。カツン、と硬質な音を響かせて、ペンダントの蓋が開く。
「貴様、それは……!」
 レオドリックが大きく息を吸い込み、炎を吐き出そうとして、オアシスめいた色合いの深い青の瞳を開いた。その一瞬の隙の分、俺たちには猶予が生まれる。
「散れ!」
 バッと放射状に、従者どもは駆けた。俺は敢えて、レオドリックの懐へと向かう。あの令嬢のペンダントが気にかかるのか、レオドリックの吐き出した炎にはあまり勢いがなかった。一番遅れたザヒドでさえ、悠々と躱しきる。
「龍が一目惚れか?」
「ええい、うるさい、それは……!」
 呼吸は、生きているものならするものだ。大きく息を吐きだした後であれば、吸わねばならない。そのように出来ている。それは人も、龍も同様だ。
 その呼吸一つが、戦場では命取りになる事を、この龍は知らないのだろう。
「クサナギ。――『飯』の時間だ!」
 駆けた速度を乗せ、鞘から抜き放ちがてら、渾身の力を込めてクサナギを下から上へと振り上げる。龍の左脇腹から首にかけて、風を纏った深い斬撃が刻まれる。
「ぐうう……!」
「レオ兄さん?」
「大丈夫、だスース。そこにいろ」
 兄の威厳を保ちたいのか、呻き声をあげ後ずさりながらも、逃げ出すことはしなかった。よく見れば、左脇腹には元々傷痕がある。弱い場所だったのだろう。
「文字通り、片腹痛いな」
「……抜かせ」
 龍の息は荒く、制限できなくなっているのか吐息に炎が混じっている。今近づくのは少々危険だ。従者どもに目で合図を送ると、承知したとばかりに距離を取りつつ、龍を囲む。
 そうして隙を見ては突撃し、龍の爪と剣戟を交わしていると、遅れて坊ちゃんたちがやってきた。会話までは流石に聞き取れなかったが、弟龍が相手する事にしたらしい。奴も恐らくは最初に火を吹くであろう事は予想出来た。
「奴らから離れろ!」
 こっちが巻き添えを食らう訳にはいかない、と従者どもをなるべく離した……が、坊ちゃんは、飛んだ。そして、悪戯をした子供に拳骨でも食らわせるような、それでいて強力な一撃を、弟龍の頭にぶち込んだ。
「【脳天かちわり】! 何と、ローレンシアの者以外があのように見事な……!」
 アドルフが感嘆する。弟龍は痛みのあまり、炎を吐くのを忘れている。
「兄さん! 何これ! こんなの計算違いだよ! 僕いま炎を吐こうとしたんだ!」
「黙れスース。集中しろ」
 あの弟龍は、戦いを遊びか何かだと思っている。まだ戦いを知る兄を選んでおいて正解だったようだ。あんな技を隠し持っていた男が相手であれば、勝負はその内つくだろう。あの坊ちゃんの勝利の上で。やはり俺の目は正しかったらしい。
(決闘が、楽しみだ……!)
 ヨハンの事、クリフトの事。忘れる事はないが、それでもこの耐えがたい『渇き』を癒せるかもしれないと思うと、心が沸き立つ。ニヤリ、と笑ってみせると、レオドリックが吼えた。
「人の心配をしている場合か!」
 俺が兄龍の一撃を受けている間に、従者どもが斬りかかる。ワイズの剣が、兄龍の右脇腹を裂く。痛みに呻きつつ、兄龍が尾を振ってザヒドとアドルフにカウンターをしかけたが、
「兄さん!」
 弟龍が絶叫した。
「わかんない! わかんないよ! 僕、はらわたが出てる!」
 振り向くと同時に事態を悟った兄龍は、怒り狂って坊ちゃんを吹っ飛ばしに行った。
「あの弟が命の恩人になったな。いや、恩龍か」
「言ってる場合でしょうか!?」
 死んだと思った、と青い顔のアドルフと、何言ってるんだと目で訴えて来るザヒドに、「選ばれずに済んで良かった」と呟くと、二人は小さくこくり、と頷いた。
 ザヒドはそのまま、憤懣を剣に込めるかのように、龍に一撃を負わせてみせた。
 龍に吹っ飛ばされた坊ちゃんは、というと、間を置かずにむくりと起き上がり、剣を握る腕も別状はなさそうだった。あちらの龍も『片腹痛い』事になっているようだ。
 弟龍を助けるべく、急に動いた為に動きの鈍った兄龍の尾に、力を込めてクサナギを振り下ろす。床と骨ごと、叩き斬ってやった。砦が大きく揺れる。龍が暴れても問題ないのであれば、頑丈に作られている筈だ。これくらいは許容範囲だろう。
「ぐあああ……!? 何、だ、と……」
 恐らくは自慢の尾が、自分の身から離れて床に落ちている事が、信じられないといった様子で、兄龍はこちらをゆるりと振り返った。
「貴様こそ。……ヒトの心配をしている場合か?」
 尾を失い、バランスも血も失った兄龍は、自ら流した血溜まりの中に倒れ込む。
「スース、スースドリック……お前、だけには、せめて。〈あの御方〉がいた頃のような、栄光の時代を、もう一度見せてやりたかった……黄昏に、向かう前に……」
「共に逝け、双子の龍」
 兄龍が息を引き取る。静かな旅立ちだった。
 レオドリックが気にしていた、令嬢のペンダントを拾い上げ、餞に添えてやる。

 その奥で、弟龍のはらわたをズルズルと引き出している坊ちゃんとエルフの小娘が見えたが、兄龍は見ないで済んだであろうことを、流石の俺もこの国の三女神とやらに祈るばかりだ。

 


 東洋さんのリプレイの台詞など一部を引用させて頂きつつ……こんな感じに仕上がりました。

 

 ザヒドさんとアドルフさんの攻撃ファンブルからのカウンターについては、弟龍スースドリックを助けに行った時にキャンセルという形にさせて頂きました。ありがとうな、スース……!!

 兄龍の方も、カウンターする筈だった尻尾を叩き斬る流れになってごめんね、という感じなんですが。3点ダメージだし、これくらい派手かなって。


 若マスターによるドラゴンレディハーフの2回目の冒険はこれにて終了です。

 長くなっちゃったので、後日談的なのは別記事で書きましょうかね。

 ながーい回想ですので、これを掻い摘んで聞いていたディジベラちゃん、大人メロウちゃんさんの反応も気になるところです。

 

 実はこの後、若マスターは意気揚々とブラーク様に決闘を申し込みに向かうのですが、ブラーク様とメロウちゃんさんがおや? おやおや? とニッコリ出来ます☺️。ブラメロはいいぞ。気になる方は東洋さんによる『ドラゴンレディハーフ』第2回目のリプレイをご覧ください!


 従者を失い、シリアスもしつつでしたが、ドラゴン戦は激アツでとても楽しい冒険でございました。


 皆様も【脳天かちわり】覚えにローレンシア王国に行こうぜ!(物騒)


 ブラーク様の見事な【脳天かちわり】を見たので、若マスターも3回目の冒険の後に覚えてからラドリド大陸に帰還しました。今回はお金がねぇ……。

 あまりにも原作(元ネタ)読みた過ぎるんですが、アマ〇ンさんで6000円台とお高めで唸ってます。うーん! 中古なのは仕方ないにしても、どこかでもうちょいお安く巡り合えると良いのですが。それか知らぬ間に電子書籍化してませんでしょうかね。


 今回は龍たちが「選ばれ」ましたが、いつか私もマスターも「選ばれる」日が来るでしょう。それがいつの日になるかは、神のみぞ知る。しっかり清く正しく力強く、生きねばと思った次第です。


 

 ではでは、良き冒険のあらんことを!



追伸


 ブラーク様と若マスターの決闘を実際にやったって話ここでしましたっけ!?!?!?!?!?


 してない気もするしした気もしますが、念の為添えておきます!

 ブラーク様とメロウちゃんさんの3回目の冒険の後、バチバチな熱戦を繰り広げました!


 決闘自体の出目のあれこれ、そして東洋さんが書き上げて下さった激アツな最高のリプレイはこちらでご覧ください!



 決闘ルールの配布用のページを作るのをすっかり忘れてました! 愚か!

 近日中に作成します!


 皆様も気軽に仲良く決闘しようぜ!(物騒)

 

 マスターが稽古つける感じとかでも✌

 果たし状、お待ちしております!(???)

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