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呪われた血族の牙城:15話目~娘、新たな『おともだち』と出会う~


▶前回のあらすじ


 尖塔の最上階にて、『おともだち🐻』に出会ったセレーナちゃんとミダスさん。

 いかにも怪しげな部屋を探索していると、思いがけないできごとが。



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 できごと 4枚目 中間イベント〈意外な協力者〉



 何と手がかり続き! でも描写的には助かるのでヨシとします。



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 その時、部屋の扉がギイ、と開いた。
 敵襲か、と慌てて武器を構えると、そこには薄汚れたゴブリンが驚いた様子で立っている。後ろに4体程いたゴブリンたちは、冒険者の姿に驚いて尖塔の階段を我先にと降りてしまった。
「ああ、ああ……お許しを! お慈悲を!」
 先頭にいたゴブリンは戦う意思は無いとばかりに土下座を始めた。あまりに必死なので、セレーナとミダスは顔を見合わせ、武器を下ろす。
「えぇと、顔を上げて下さいな。あなたを攻撃するつもりはありません」
「ははぁ!」
 ゴブリンを落ち着かせ、事情を聞いてみる。ググという名の彼は、アルザハイオンにこき使われているのだという。
「この部屋に仲間を連れてきて、そこのクマに血を飲ませるんです。それがおれの役目です。怖いけど、仲間に恨まれるけど、やらなくっちゃあ今度はおれが血を飲ませなくちゃならねぇ」
 震えながら、ググは目に涙を溜めていた。
「もう、こんなところに一秒だっていたくないんです。でも、吸血鬼のご主人様はおっかなくて……」
「そうでしたか。大変な目に遭いましたね……」
「ああ! わかってくださいますか!」
 優しく語り掛けるセレーナに、ゴブリンは更に目を潤ませる。ミダスには嫌な予感がした。
「おれをしもべにしてください! ご主人様はあなたがいいです!」
「えぇ……!?」
 流石のセレーナも狼狽える。ググも被害者のようなものだが、しもべにするのは少し、いやかなり気が引ける。
「だめですか。ググはお役に立てませんか」
「ううん、しもべじゃなくて普通に連れていきたい気持ちはあるのですけど……ミダスさん……」
「ロープならあるぞ」
「そうではなく!」
「捕虜でもかまいません! おれはここを出たいです!」
 ググはミダスが差し出したロープを自ら巻きつけていく。どうにかしてでもここから出たい気持ちが強いようだ。
「嗚呼、分かりましたから、ロープはいいですから!」
 案外器用に自らを縛り上げたググのロープを解いてやり、同行を許可するとググは飛び上がって喜んだ。
「ああ、かみさま! いや、めがみさま! ありがとう、ググは感謝します!」
「そんな大層なものでは……私はセレーナ、彼はミダスさんですよ」
「セレーナ様、ミダス。ありがとう!」
「……おい」
「まぁまぁ」
 ググはセレーナのみを恩人と認識したようだった。呼び捨てにされたミダスは顔を顰める。様付けで呼ばれる柄でも無いのだが、何だか癪だ。嫌な予感はやはり当たった。
「……そうだ、ググさん。このクマさんが、『次の場所へどうぞ』って言ってたの。何か知ってるかしら?」
「この魔法陣は、ここだけにあるんじゃないです。他の尖塔にもある。他の尖塔は、他の奴らが任されてます」
「成程、そうやって色んな所に分散しているのですね」
「そう、ググは他の場所も知ってます。こっちです、セレーナ様!」
 今度の案内人は、妙に元気だ。信じて良いものかは何とも言えないが、このゴブリンに人を騙せる程の胆力は無さそうに見える。
「彼を信じて行ってみましょう」
「……ロープで縛っておかなくて良いのか。さっさと逃げ出すかもしれんぞ」
「それは彼の判断に委ねます。元々、探索は続けるつもりではありましたから」
 ぴょんぴょんと飛び跳ね、こっちだと手招きするググを見て、セレーナは苦笑する。何だか一生懸命役に立とうと背伸びをする子どものようにも見える。
「……変な動きをしたら斬るからな」
「うわ、ミダス! 吸血鬼の元ご主人様みたいな怖いかお!」
「もう、脅かさないであげて下さいな」
「セレーナ様はやさしくてきれい!」
「ふふ、ありがとう」
 セレーナの顔が綻ぶ一方で、ミダスの顔が一層険しくなるのだった。


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 今回は賑やかな同行者が増えました。本来だと捕虜として連れていけますが、その場合はロープと従者点が必要そうです。

 ロープはあるけど従者点が無い……けど名前も付けちゃったし、何だか描写を書く間に愛着湧いちゃって連れていきたい気持ちがあるので、捕虜扱いにはせず、また従者でもない案内人として同行させることに。従者ではないので、戦闘には参加しません。セレーナちゃんだけを応援はしてくれそうですが。


(これ書いた時には指輪物語をまだ見ていない、読んでない状態だったのですが、今見てみると何だかスメアゴルみがありますね……いとしいしと!)


 さて、古城にいくつかある尖塔の上で展開している儀式。これらをどうにかする……みたいな雰囲気で今回は進みます。古城にいつの間にか尖塔がぽこぽこ立ってしまった……!

 何となくドイツの古城イメージでおります。


 ・帝国城砦コッヘム(帝国城砦コッヘム(Reichsburg Cochem)の歴史と見どころを紹介!―戦争による破壊からの復興 | ドイツの古城 〜歴史の旅


 この3つ辺りが個人的に今回の古城イメージに近いかなぁ。

 皆様の古城イメージはどんな感じでしょうか?

 (上記でもリンクを貼らせて頂いたサイト、ドイツの古城のまとめが素晴らしくて助かるのでそっと推しておきます⇒ドイツの古城 〜歴史の旅 | 城に見るドイツ中世・近世史


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