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呪われた血族の牙城:7話目~娘、吸血鬼と相対す~

更新日:2月8日


▶前回のあらすじ

 

 ボス戦前の中ボス戦といった雰囲気で、強いクリーチャーである〈熟練の処刑人〉に挑みました。ミダスおじさんの暗殺者らしさが光る、かと思いきや、まさかのファンブル。

 ダイスの女神の笑い声が聞こえてきそうな中、【運命の切り札】も使ったりして何とか倒しました。初めて【人間型】の敵を倒し、改めて暗殺者である自分の身を自嘲するミダスおじさんと、礼を伝えるセレーナちゃん。二人の絆が深まったシーンとなりました。

 食料も食べきったので、二人はとうとうボス戦を迎えます!

 



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 黒棺から手に入れた「手がかり」1個使用!



8枚目 最終イベント〈吸血鬼ヴェルゴウル〉


レベル:5  生命点:4  攻撃回数:2  宝物:修正+2

≪反応表≫ 1~6【死ぬまで戦う】



 さぁさぁお待ちかね、吸血鬼様のご登場です!

 銀製の武器攻撃しか効かないので、セレーナちゃんは銀の矢じりの弓矢の初撃のみ有効。頼みの綱は銀の剣を装備するミダスさんにかかってますね。二人とも頑張れ~!!

 


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 大広間に足を踏み入れると、血の匂いが濃く漂っていた。床には夥しい血によって、魔法陣らしきものが刻まれている。そこかしこに生贄と思しき人間の死体が積まれ、儀式の完成を待つばかりのようだった。

「ようこそ。招かれざる客人たちよ」

 大広間の奥、玉座のような椅子に腰かけ、吸血鬼――ヴェルゴウルは優雅に待ち構えていた。
「あと四十分と……三十五秒待ってくれないか。儀式の準備が漸く完成するのでね」
 懐中時計を取り出し、針を読む。動作がどうにも芝居がかっていて癪に障る。ミダスは吸血鬼を睨みつけながら吐き捨てた。
「待つ訳が無かろう」
「吸血鬼ヴェルゴウル。攫った人たちを解放して下さい」
 セレーナが説得を試みようと訴える。ヴェルゴウルは目を瞬かせ、細い顎に手を当て首を傾げた。
「どうして? 私の軍勢になれるのだから、光栄な事なのに」
 会話は出来るが、話は通じない。倒すしかないのだ。
 ミダスは銀の剣を構え、セレーナも銀の矢じりの弓矢を手に取った。
 二人が戦闘態勢になったのを見て、ヴェルゴウルは大仰に肩を竦めた。
「やれやれ。偉業の前に試練はつきものだ。……あと三十九分、四十三秒。大いなる儀式前の余興といこうじゃないか」
 懐中時計を確認して、懐に仕舞いこむ。ヴェルゴウルはにんまり笑うと、玉座から立ち上がり、黒い闇のようなマントをばさりと広げた。

「愚かなる生者ども。私の帝国の礎となるが良い」

 
――最後の戦いが、始まる。

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 フレーバーテキストに特に記述が無いので、それっぽい感じで喋って頂いています、ヴェルゴウル様。几帳面でやや神経質、話し方は大仰な細身の伯爵っぽいイメージ。プレイする方によって様々な解釈がありそうです。色んなヴェルゴウル様、見たい。




 それではボス戦だーッ!! 食らえ、銀の武器!!!(蛮族思考)




▽0ラウンド目

 セレーナちゃんの父親譲りの銀の矢じりの弓矢攻撃!(長) 技量点1点+修正1点+🎲2=失敗


 貴重な攻撃の機会が!!(嘆)



▼1ラウンド目

 ミダスおじさんの銀の剣! 技量点2点+🎲3=成功

 ヴェルゴウルの生命点を1点減らしました。セレーナちゃんもレイピアで応戦しますが、ノーダメージなので割愛。

 攻撃回数は二回なので、今回は一度ずつ防御しましょう。



 セレーナ 防御:技量点1点+🎲1=ファンブル! 

 ミダス  防御:技量点2点+🎲6=クリティカル!


 セレーナちゃん、初吸血鬼戦で緊張してるのかも。生命点がこれで5点です。



▼2ラウンド目

 ミダスおじさんが銀の剣を振るう! 技量点2点+🎲1=ファンブル!


 おおっと!? 流石にヴェルゴウル様は手強い様子。簡単にはダメージ与えさせてくれませんね。防御は同じく1回ずつ。


 セレーナ 防御:技量点1点+🎲4=成功

 ミダス  防御:技量点2点+🎲4=成功


 攻撃パターンも見えて来たでしょうか。この調子で攻めに転じるんだ!



▼3ラウンド目

 ミダスおじさんが銀の剣で突く! 技量点2点+🎲6=クリティカル! 

                  2回目:+🎲6=クリティカル! 

                  3回目:+🎲5=成功


 ここへきて謎のクリティカル乱舞!

 これでヴェルゴウル様の生命点を一気に削り切りました!

 一気に畳みかけて始末する、暗殺者みがあるというか、何と言うか……戦闘終了です!



☆ 宝物

 +2点の修正点ですワックワク。


宝物表 🎲2+2=4:1個のアクセサリー(1d6×1d6枚の金貨と同等の価値) 

    🎲2×🎲3=金貨6枚の価値


 ううーん。渋い。ヴェルゴウル様はそんなに装飾品にこだわるタイプじゃなかったかぁ。

 とは言え貰えるものは貰っておきましょう。戦果ですからね。


 


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 セレーナが弓を引く。流石に緊張しているのか、指に震えが走る。その僅かな揺らぎを、吸血鬼は見逃さなかった。
「おや、君は私たちの仲間じゃないか」
「……違う!」
 叫びと共に放たれた矢だったが、ヴェルゴウルは霧となってさらりと躱した。自分の攻撃手段が絶たれた事に動揺するセレーナに、吸血鬼はニンマリと笑って見せる。
「当たらなければ、銀の武器など恐れるに足らず。残念だったねぇ、同胞よ」
「違う、違います……私は!」
「セレーナ、聴かなくていい。惑わされるな」
 良い玩具を見つけたかのように、にやにやしながらセレーナの周りを飛び回る吸血鬼の背後から、ミダスが銀の剣で斬りつける。
「ぐう……! よくも、私の体を傷つけたな!」
 痛みに顔を歪め怒りを滲ませた吸血鬼は、先程までの紳士的な態度を一変させ、獣のように二人に襲い掛かる。
「はは! お前の血は冷たいぞ! 私と一緒だ!」
「く……!」
「セレーナ!」
 吸血鬼の言葉が、セレーナを追い詰めていく。話術に長けた嫌な野郎だ。銀の剣で防御しようと構えると、ミダスを避けてセレーナに向かう。卑怯者、と詰りたくもなるが、暗殺者の自分もあまり人の事は言えない。
「死者なら死者らしく、静かにしていろ」
「ならば君も死者になりたまえよ」
 怒りを含ませた太刀筋は見切られた。自分こそ惑わされてはならない。切り札である、銀の剣を握るのは自分だ。すっと息を吐き、気を鎮める。……セレーナは強い。こんな反吐が出るような相手に、負ける娘ではない。
「セレーナ。……お前は人だ。生者だ。間違ってもあいつら側ではない。俺が保証してやる」

 確かに肌は、通う血は冷たくなってしまっているだろう。
 けれど、心臓は動いている。人として、生きる為に、動いている。
――彼女の心は、暖かい。

「ミダスさん……ありがとう。私は、生きています。人間として!」
 セレーナの瞳に、活力が戻った。もう惑わされる事は無いだろう。ミダスも強く頷いて、敵を屠る事に意識を専念する。
「嗚呼、忌々しい。自分たちが正しいと信じて疑わない、その目をやめろ! いずれ終わる命、ここで今すぐ果てるがいい!」
 苛立ちを隠さず、乱暴に吸血鬼が爪を振るう。大振りなそれは躱しやすく、二人とも距離を取って武器を構え直す。
「……セレーナ。俺に願ってくれないか。お前の言葉は、俺に力をくれる」
 ミダスが静かに乞うと、セレーナは深く頷いた。
「分かりました。……ミダスさん、どうかあの吸血鬼を倒して。私の為に」
「心得た。叶えてみせよう」

 これは命令ではなく、願いだ。果たすのではなく、叶える。
 お金の為にでもなく、仕事としてでもなく、一人の娘の為に。
 自らの意思で武器を振るうのは、もしかすると初めての事かもしれなかった。
 ミダスは少しだけ笑った。……思いの他、悪くない心地だったからだ。
「銀の武器を持っているからといって、調子に乗るなよ、生者ども!」
「人の姿を取っているなら。……俺に倒せぬ敵じゃない」
 ミダスは強く踏み込んで銀の剣を振り上げた。そして続けざまに横に薙ぐ。十字を描いた斬撃は吸血鬼を鋭く切り裂き、ヴェルゴウルは苦悶の声を上げる。
「苦しむべきは、お前たちだ、私ではない……!」
「そうかもしれんな。だから……苦しませずに逝かせてやる」
 吸血鬼が血走った目でミダスを切り裂こうと腕を振る。それをさらりと避けて背後に回ると、無防備な背中から、心臓目掛けて銀の剣を突き入れた。

「ああああああああ! 嫌だ、苦しいのは! あああ!」


 ミダスのトドメの一撃で、ヴェルゴウルの身体は砕けて灰になる。その中から一匹の狼が現れ、走り去ろうとする。
「それを逃がしてはなりません! 復活してしまいます!」
 吸血鬼殺しの知識を持つセレーナがいち早く、狼に駆け寄ってレイピアを突き入れた。暴れて逃げようとする狼に、ミダスも銀の剣で突いて床に射止める。
「どうすればいい」
「火をつけて燃やすのです。これは吸血鬼の魂のようなもの。……そうすれば、滅する事が出来ます」
 セレーナはランタンの油を狼に掛け、火をつける。燃えていく狼は苦悶の声を上げ暴れ続けたが、その内に灰になり、今度こそ消えた。残ったのは、赤い宝石の嵌められた小さな指輪だ。ヴェルゴウルがつけていたものだろう。それを拾って、立ち上がる。

 恐ろしい吸血鬼は、退治されたのだ。


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 ドラマチックな感じに仕立て上げて、これにて第1回目の冒険は達成です!

 嗚呼良かった!

 とは言え、囚われた人々は助けられていないですし、まだまだ頑張らないといけなさそうですね。

 最後に今回のエピローグを加えて、2回目の冒険に続きます。 




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▼エピローグ


 目的であった吸血鬼は倒した。攫われた人々の救助はままならなかったが、脅威が滅び去ったのだから、増援を呼んで探した方が良いだろう。依頼人の妻が大広間に積まれた死体の中に無ければいいと願うばかりだ。
 血生臭さと死に満ち満ちた古城を後にし、セレーナが不意に振り返る。
「……これで、1体。まだ先は長いですね」
 ぽつりとした呟き。彼女の呪いを解く旅路は始まったばかりなのだ。恐ろしい強大な相手に、何度も挑まなければならない。
「そうだな。……また吸血鬼探しから始めねば」
「あら? まだお力を貸してくれるのですか?」
 ミダスが同行してくれるのは今回だけだと思っていたセレーナは、瞳を瞬かせる。
「恩は返す主義だと言っただろう。……まだ返しきれてはいない気がするが、もう助太刀はいらないか」
「……いいえ、いいえ! ミダスさんと冒険をするのもこれっきりだと、寂しくなっていたのです。嬉しい!」
 本当に嬉しそうに微笑むものだから、居心地の悪くなったミダスは咳払いして、顔を顰める。
「暗殺者に同行されて喜ぶな、全く」
「私は護衛だと思ってますよ。とっても頼もしい」
 そうだった。彼女の言葉は甘いのだ。摂り過ぎには気をつけねばならない。これ以上聞いていられない、とミダスは歩き出す。
「……帰るぞ、セレーナ。まずは依頼主に報告しなくては」
「そういえば名前、呼んで下さるようになりましたね。それも嬉しいです」
「……呼んでなかったか?」
「はい。最初の頃はあまり。だから、ありがとうございます」
 指摘されても、礼を言われても、そうだっただろうか、と訝しむ。でも確かに、普段は他人の名前は呼ばないようにしていた。……いずれ殺す相手になるかもしれないからだ。名を呼べば、どうしても情がわく。情がわけば手が鈍る。
(……。情なんてものが、残っていたのか)
 感情の殆どは枯れ果てたと思っていた。暗殺者としては不要なものだったから、それも殺した。筈だった。
 だが、セレーナの言うように護衛であれば。感情があっても、情が湧いても、良いのではないか。
 一瞬だけ、夢想する。これからずっと、彼女の傍にいれたなら。……ただの一人の男に、戻れそうな気がした。
(いや。俺は暗殺者だ……別れるべきだ。その方が良い)
 ただ……別れるのは今ではない。それだけだ。
「ミダスさん……?」
 黙り込んでしまったミダスの顔を覗き込みながら、セレーナは少し不安そうな顔をする。いつもは少し大人びて見える顔が、幾分幼く見えた。迷子のような、所在なさげな瞳。
 成人している年頃とは言え、まだ保護者が必要でもあるだろう。【血の呪い】という枷を抱えた身ならば猶更だ。
「何でもない。……行くぞ」
 今だけは、共にいる。声を掛けるとセレーナは漸く微笑んだ。並んで、二人は古城を後にしたのだった。

△△△△△△△△△△



 中の人はすぐセンチメンタルします。癖だから仕方ない。

 とりあえず暫く一緒に冒険してくれそうなので一安心。これでじゃあな! しなくて良かったね……。

 



☆ 今回の戦果 

 ヒドラの蛇鱗石の欠片……金貨15枚

 処刑人の持ちもの…………金貨10枚

 ヴェルゴウルの指輪………金貨 6枚


 合計…………………………金貨31枚


 魔法の宝物

 ・緋色のマント……セレーナちゃんが装備(という事に)



 『呪われた血族の牙城』は堕落都市ネルド近辺での出来事なので、ネルドの都市サプリメントで装備を整えても良さそうですね。ただ、セレーナちゃんが半吸血鬼状態なのでニンニクとか持っちゃって大丈夫なんだろうか……。ちょっと苦手になってはいそう。

 暗殺術はお金を貯めて是非ともミダスさんに習得して欲しい所ですね。



 という訳で、今度こそ第1回の冒険はおしまい!

 戦闘が多かった1回目の次は、イベント満載でお送りします!


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