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呪われた血族の牙城:9話目~娘、鬼火に導かれる~


▶前回のあらすじ

 

 更なる強い吸血鬼、アルゼハイオンの一派に攫われたアンデッドの専門家・カットナー老人を救出すべく、再び古城へと足を踏み入れたセレーナちゃんとミダスさん。

 巨大コウモリをモフモフした後、1回目の冒険の依頼者の妻・シエラさんを発見し、同行させて先へと進みます。

 シエラさんを無事に送り届けるまでが冒険です。戦闘やトラップは避けたいところ!

 いざ3枚目!




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できごと 3枚目🎲21 〈導く鬼火〉

出現数:🎲3+1=4  レベル:5  宝物:なし

≪反応表≫ 1~3【逃走】 4~6【劣勢であれば逃走】


 お! 逃走させれば手がかりゲットのクリーチャー! 

 今回の手がかりは、勿論カットナー老人の居場所です。シエラさんもいる事ですし、今回の冒険は寄り道せずにさくっと攻略しちゃいたい気持ちがあるので助かりますね。

 前回やたら痛い目見たからね!(連続60の出目の嵐を思い出しながら)


 

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「止まれ」
 食糧庫を出て、廊下を行く。先導するミダスが、後ろの二人を手で制した。廊下の先で、ゆらゆらと炎が浮かんで揺れている。
「あれは……火の玉ですか……?」
「鬼火の類……ウィルオウィスプ、だろう。ここで死んだ者たちの魂が変化したか」
 強い恨みや未練があるなどすれば、低級死霊などになったかもしれないが。血の奴隷となり、記憶や感情もあやふやなまま死んでしまえば、魂もぼんやりとしたものになってしまうのかもしれない。
「どうする。様子を見ていれば去るかもしれないが……数が多い場合は襲い掛かってくる事もある」
「そうですね……ここで亡くなった方々の魂であれば、何か知っているかも。どうにか意思疎通出来ないでしょうか」
「ネクロマンサーであれば出来るかもしれんがな」
「私半分アンデッドですし、いけるかもしれませんね?」
「人間だと言い張ったり、アンデッドだと言ったり、忙しいものだな」
「柔軟だと言って下さい!」
 もう、と少し頬を膨らませながら、セレーナは鬼火に近寄っていく。ミダスは、シエラに目線で下がっているように指示すると、銀の剣に手を置いた。相手がどう出るかは分からない。いつでも抜けるようにはしておかねば。

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 折角なので、反応表を振って見ましょう。セレーナちゃんの人たらしぢからは人外にも通じるのか!


 反応表🎲3……逃走!

 戦闘無しで「手がかり」1個入手です!

 人たらしぢからはほぼ通じたと言って良いでしょう! 逃げられてるけど! 



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「こんばんは、皆さん。ご老人を探しているのですが、どなたか居場所を知りませんか?」
 セレーナは丁寧に話しかける。言葉だけ聞けば、道行く人に尋ねているようにも聞こえる程に。
 人扱いされたからなのか、気まぐれか、鬼火たちはセレーナを襲わなかった。鬼火の一つが、セレーナの問いに答えるようにくるりと回ると、ふわふわ廊下を進み始めた。
「もしかしてご存知ですか?」
 頷くように、鬼火が上下に一度揺れた。意思疎通が、出来ている、だと……?
「良ければ案内して下さいますか?」
 セレーナが聞くと、鬼火はまた頷きのような動きを見せる。セレーナが振り返り、笑んでミダスとシエラを手招く。
「案内して下さるそうです。行きましょう!」
「ついて行って大丈夫なのか?」
「私は鬼火さんを信じます。味方のような気がするのです」
 セレーナがそう言うのであれば、ミダスは従うしかない。一抹の不安もあるが、セレーナを信じるのみだ。
 ふわふわと漂う鬼火に導かれ、一行は廊下を進んでいった。

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 という訳で中間イベント……なんですが、強制トラップなんですよね!

 うわー! 騙された! と思いつつも、実は重要アイテムがある……みたいな、素晴らしい展開になっている!


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できごと 4枚目 中間イベント〈真紅に染まる血吸い草〉


〈真紅に染まる血吸い草〉

 難易度4 対象パーティ全員


 トラップですが、生命点は引かれないようなのでシエラさんを失う心配は無くて一安心。

 とは言え、あらゆる【判定ロール】に-1の修正はだいぶ痛いハンデです。

 アンデッドであるセレーナちゃんには無効らしいので、頑張れミダスさん! そしてシエラさん!



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 鬼火に導かれた先は、古城の中庭のようだった。いくつかの枯れ木が、手を広げるゴーストのように枝をざわざわと揺らしている。少し離れた場所に東屋と、庭の真ん中に枯れた噴水がある。周りに腐りかけたベンチも置かれていて、かつては城に住む人々の憩いの場だったのだろうと察せられる。
(……敵が潜めそうな場所は、あまりないが……)
 古城のほぼ真ん中に位置して、広い場所故に、どこから襲われてもおかしくはない。辺りに注意深く目線を配るが、敵の気配は感じられなかった。しかし、屋根の上から狙撃されるなど、考えられる可能性はいくつもある。安全だと確認できるまでは、シエラを入口付近の壁際に待機させておく。
「ここにご老人がいるのですか?」
 セレーナが鬼火に問いかけると、鬼火は一瞬迷った素振りを見せてから、横に揺れた。ここにいる訳ではないらしい。鬼火は朽ちかけた東屋の方へと向かっていく。
「そこに何か……あっ」
 セレーナが近づこうとすると、鬼火がボウ! と強く燃え上がった。攻撃という訳では無さそうだ。何かを訴えているのか。
「足元を見ろ。……血吸い草だ。随分元気に茂っている」
 東屋を囲むように、真紅色に染まった、尖った葉を持つ植物が生い茂っている。その鋭い葉に傷をつけられると、血が流れやすくなる。葉に含まれる成分にそういう作用があるのだとか、葉先の形状がノコギリのようにジグザグになっていて、傷が悪化しやすいのだとか、色んな説があるが、通りすがった生き物に傷をつけ、その血で成長するという、用心するに越した事はない吸血植物だ。これまた厄介な事に、刈ったりしようとすれば、葉先を向けて抵抗してくるのだ。燃やすのが効果的だが、手持ちのランタンの油程度では燃やし尽くせない。燃やせても2、3本が限界だろう。
「あそこの東屋に何かあるみたいです。何か光って見えました」
「誰か一人行けばいいのではないか。アンデッドのお前とか」
「私は人間です! ……まぁでも、確認だけで良いのなら、私だけ行ってみましょうか」
 鬼火は横に揺れた。どうやらセレーナだけが行っても意味がないらしい。東屋に何か仕掛けがあるようだ。ミダスは溜息をついた。
「……仕方ない。これが罠かもしれないと思い始めたが、乗りかかった船だ」
「ミダスさん、シエラさん、私が先に踏んで進みますので、その後をついていらして下さい」
 セレーナが先行して、東屋を目指して進み始める。ミダスとシエラも、慎重に後に続いた。

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 さて、全員で目標値4の【器用ロール】! 一応セレーナちゃんもやっておきましょう。


 セレーナ 技術点1点+修正1点+🎲4=成功

 ミダス 技術点2点+修正1点+🎲4=成功

 シエラ 技術点0点+🎲5=成功


 セレーナちゃんのふみふみ効果か、シエラさんも成功だー! やったー!



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 アンデッドの血は不要なのか、血吸い草の葉先は彼女の冷たい肌をチクリと撫でるのみだった。セレーナが先に踏み倒して道を作ってくれたお陰で、ミダスもシエラも傷を負う事なく東屋まで辿り着いた。
「ここに何が……あっ、何か落ちてます」
「それが光っていたものか」
 東屋の中央にある、台座の傍でセレーナが拾い上げたのは、不思議な意匠の施されたペンダントだった。細い鎖の先に揺れるのは、妙にギザギザとしていて、アンバランスなデザインのものである。鎖は強い力で引っ張られでもしたのか破損しており、直さなければペンダントとしては使えそうにもない。
「これが大事なものなんですね?」
 鬼火に聞けば、上下に揺れるので、セレーナは頷き返してペンダントを仕舞った。その間に東屋を検分していたミダスが、ほぼ確信に満ちた顔でセレーナに話しかける。
「この台座、動くぞ。下に続く道がある筈だ」
 足でトン、と東屋の床を蹴る。装飾のように偽装されているが、押せば動くように溝が彫られているのだ。隠し通路の出入り口にでも使われていたのかもしれない。
「早速やってみましょう!」
 セレーナとミダスで力を合わせ、台座を押す。ズズ、ズズ、と重い音を立てながら台座が動き、下から階段が現れた!
「この先にご老人がいらっしゃるのですね?」
 鬼火はこくこくと何度も頷くかのように、上下する。隠し通路の先に捕まっているのであれば、重要人物扱いされていると考えるのが妥当だろう。ふと、この鬼火が妙に協力的なのは何故かと疑問が浮かぶ。何か思惑があるのには違いないが。
「では……あっ……!」
 下へと続く階段を覗き込んだセレーナが声を上げる。何事かと追うようにミダスも覗き込むと、そこには男が一人倒れていた。既に息はないであろう事は、彼の下半身が何かに食いちぎられている事から分かった。
「……カットナー翁ではなさそうだ、少し若い」
 出口に向けて、腕を伸ばしている。もう少しで出れる、というところで何かに襲われ食いちぎられて死んだ、と思われた。
「待てよ……もしや」
 この鬼火の主ではないか? そう感じて鬼火を見ると、鬼火は大きく丸を描いた。正解、といったところか。そうであるなら、ここまで協力的だったのも合点がいく。見つけて欲しかったのであろう。
「……貴方を助けられなくて、ごめんなさい」
 セレーナは静かに呟く。もう少し早ければ、魂になる前に何とかなったかもしれない、とでも考えているのだろう。謝る筋合いはないのに、それでもセレーナは気に病んだようだった。
 鬼火は気にするな、とでも言うように、セレーナの周りをふわりと舞った。見つけたものをそのままにしておくのも忍びないと、彼の遺体を地上に引っ張り上げ、とりあえず東屋の床に寝かせる。見るも無残な遺体の状態を見かねて、セレーナは深紅色のマントをそっと掛けた。
「……まずは、カットナーさんの救出を優先します。貴方の埋葬は後回しにしてしまいますが、お許し下さいね」
 鬼火は頷いた。目的を果たして満足したのか、その炎が弱まっていく。
「ありがとう、貴方の導き無しではきっとこんなに早く辿り着けなかったでしょう。……きっと、無事に助けだしてみせますからね」
 指切りをするかのように、セレーナがほっそりとした小指を差し出す。鬼火は指先に触れるか触れないかの所まで近寄り、そして消えていった。
「……約束、出来たかしら」
「さてな。……この先で待っているのは、老人だけでは無さそうだ」
 人を半分に嚙みちぎれるほどの化け物がいると見て間違いない。恐らくは番犬のようなもの。
「それでも、行かねばなりません。……その為に来たのですから」
 赤い瞳に静かな決意を宿して、セレーナが立ち上がる。この娘の真っすぐな瞳は刃に似て美しいものだ、とミダスは不意に思った。鋭くはあるが、その刃先は決して人を傷つけるものではない。誰かを守る為に、助ける為に、振るわれる聖なるものの剣。
 だから、ずっと昏い場所にいたミダスには、眩しすぎると感じるのかもしれなかった。

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 いつの間にやら色々設定が生え……NPCが多めになった今回です。

 さて、1回目の冒険とは全く異なる雰囲気で、ややしっとりめに進んでいる2回目の冒険。5枚目のできごとまでは普通にめくり、6枚目で手がかり使用して、さくっと最終イベントに向かいましょう。


 あれ? でもこのままだと宝物ほぼ無し……!?(宝物ロールが楽しみ勢)


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