四猫亭の幽霊:8話目~魔猫、疑われる
- 管理人 天狗ろむ
- 1 日前
- 読了時間: 6分
前回のあらすじ
フィーダさま、宝石持てない問題がありましたが、今回ばかりは〈ウッタ〉さんや〈ユッサ〉さんに持って頂いたり〈四猫亭〉に預けているという事になりました。
1回目の冒険で軽傷を負った〈ウッタ〉さんに代わり、〈ユッサ〉さんを新たな相棒としてトーンの街へと再び繰り出しました。盗賊〈ララ〉さんと出会ったものの、既に評議長を伸してしまっていたので、ご挨拶だけで済ませたのでした。
と言う訳で、2枚目のできごと、いってみましょう!
◇できごと2 出目🎲63 下水ワニ
おわーッ!!
出目60番台です! しかもワニ! 下水道に!?!?
◆◆◆◆+◆
トーンの街に悲鳴が響いた。何やら騒がしい。
辺りの様子を窺っていたフィーダは即座に顔を顰めた。とても嫌な臭いがする。
『何かしら、下水の臭いがするわ』
「本当ね……ってアレ!」
下水道に繋がる入口から、大きなワニがのそのそと這い出してきていた。逃げる人々が口にしていたのは、先日キューブが詰まったままの影響で、下水ワニが住処に戻れず、地上に出てきてしまったらしい。
『あー、あの四角いやつですわね。まだ駆除出来ていませんでしたの』
「どうするの! アレさっさと倒すか退散してもらわないと、臭いがついちゃうわ」
『それは勘弁願いたいですわ。わたくしの毛並みは常に美しく清潔にしていたいですもの。……さぁ、〈ユッサ〉、先程の武器のキレ、わたくしに見せて御覧なさい』
街での情報集めの前に、ねだられて買ったメイスを見やり、フィーダはフンと鼻を鳴らす。
「あんまり汚したくないんだけどぉ……仕方ない、やりますか」
〈ユッサ〉は重たそうなメイスを肩に担いでみせると、ニヤリ、と悪戯っぽい笑みを浮かべた。
◆◆◆◆+◆
それでは、戦闘だーッ!!
防御ロールにファンブルすると、噛みつかれた挙句にワニローリングを始めて、ラウンドを重ねるごとに2点ずつ生命点を減らされてしまうという、はちゃめちゃこっわいクリーチャーです。ワニだもんね。
しかも2ラウンド以内にどうにかしないと、「四猫亭の幽霊」特別ルールの【悪臭】状態になってしまいます。何とか避けたいところ!
◆1ラウンド
フィーダが爪を振るう ファンブル!
〈ユッサ〉きらめく魔法のメイスでぶん殴る 成功 下水ワニ9→8
〈ユッサ〉防御 成功
◆2ラウンド
フィーダ 【目も当てられぬ激怒】 成功(クリティカル扱い⇒ファンブル!
器用点5⇒4 下水ワニ8→7
〈ユッサ〉攻撃 成功 下水ワニ7→6
〈ユッサ〉防御 成功
◆3ラウンド
フィーダ 攻撃 クリティカル!⇒成功 下水ワニ6→4
〈ユッサ〉攻撃成功 下水ワニ4⇒3
半分を下回ったので逃走
ぐわー! 【悪臭】ついちゃった!!
フィーダさまの爪の調子が上がるのが少しばかり遅かったですね……無念!!
◆◆◆◆+◆
『あなたの居場所はここではなくってよ!』
「あーもう! 帰ってよー!」
あと一歩、遅かった。
こちらに噛みつこうと牙を剥く下水ワニを、元の住処へと何とか追い立てた頃には、フィーダと〈ユッサ〉の二人に酷い臭いが染みついてしまっていた。
「えーん。早くシャワー浴びたい、着替えたい~」
『こんな野良猫のような様だなんて、屈辱ですわ……!』
二人はげんなりしていたが、下水ワニを追い払ってくれた事を近隣住民には感謝されたのだった。……少し顔を顰められてしまったが。
◆◆◆◆+◆
この下水ワニを何らかの方法で捕獲できると、トーンの「サイドショー」に売り払う事が出来るらしく……サイドショー? となって調べてみたら、サーカスやカーニバルの余興のことらしいです。サーカスもあるのか! ファンタジーのサーカスとなると、一層見応えありそうです。マンティコアの火の輪くぐりとかあるんかな(?)
さっくり終わったので次のできごとも行っちゃいましょう!
◇できごと3 出目🎲26 飛翔騎士
出現数4体
トーンを象徴するものの一つ、飛翔騎士と書いてスカイナイト! かっこいー!
1回目の冒険では共闘しましたが、今回はどうやら疑いの眼差しを向けられています……!
◆◆◆◆+◆
バサリ、と羽ばたきの音と共に、飛翔騎士の一行が二人の前に降り立つ。その中の一人は、海賊退治の時に船まで運んでくれた鳥人だ。彼も気づいたのか、礼儀正しく頭を下げる。
「先日の魔猫殿であったか。その節はどうもありがとう」
『いいえ、大したことではありませんわ。それに謝礼はたっぷり貰いましたもの』
「先程の下水ワニの対応にも感謝する。……魔猫殿、少し時間を頂戴しても宜しいか?」
質問の体を取りつつも、四人の飛翔騎士にそれとなく囲まれている。話をしている騎士以外は、目つきが鋭く、フィーダと〈ユッサ〉を値踏みするかのように見張っている。まるで、容疑者を前にしたかのように。【悪臭】の所為だったらどうしよう、と身構えるが、どうやらそうではないらしい。
「宝石商からかなりの価値ある宝石が盗まれたんだ。容疑者は一人と一匹で、情報からすると、君たちと背格好がよく似ている。あの時手伝ってくれた君たちを疑うのは心苦しいのだが……これも私の仕事でな。少し荷物を検めさせてくれないか」
『わたくし以外の魔猫がこの街にいますの?』
そんな偶然ある訳ないとは思うのだが?
魔猫ってそんなにポピュラーな種族でもないだろうに?
そもそも、かみさまであるわたくしを疑うとは不敬にも程があるのではなくて?
徐々に機嫌を損ねていくフィーダが眉間に皺を寄せ、戦闘態勢に入ろうとするので、〈ユッサ〉が慌てて間に入り、上目遣いで騎士にアピールする。
「私たちじゃありませんよぉ、騎士様~」
「私もそう思いたい。が、どうか協力してくれ。疑いが晴れさえすれば、君たちは自由だ」
数々の男女を射止めてきた〈ユッサ〉の上目遣いをものともせず、飛翔騎士は任務に忠実な態度を崩さない。勿論二人とも、宝石店には行っていないし、盗んでもいないのだから、堂々としていれば良いのだ。〈ユッサ〉の荷物をあらためると、すぐに疑念は解けたらしい。飛翔騎士は誠実に謝ってから、華麗に飛び去って行った。他の騎士も、飛び上がってから一呼吸入れ、速やかに飛んでいく。
『……もしかして、息を止めていたのかしら』
「え~!? だからあんなに厳めしい顔してたの? そんなに臭う!?」
『……やっぱり、この状態は耐えられませんわ。一刻も早く臭いを落としましょう』
あの騎士様に【悪臭】が移ってないと良いけど、という〈ユッサ〉の呟きを聞きつつ、苦々し気な顔のままのフィーダは一旦〈四猫亭〉に帰る事を提案したのだった。
◆◆◆◆+◆
飛翔騎士さん主人公も作りたいぜ~! となりつつ、戦士職か聖騎士職か……悩ましいですね。槍使ってるイメージです。ヒーローズオブダークネスの第二弾とかが出た際に実装されたら楽しそう。一撃離脱の戦法を取るらしいので、ケンタウロスっぽさはありますかね。
次回、早くも中間イベント! 〈四猫亭〉に忍び寄る影、フィーダさまは撃退できるのか!?
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