『……さぁ、〈ユッサ〉、先程の武器のキレ、わたくしに見せて御覧なさい』「あんまり汚したくないんだけどぉ……仕方ない、やりますか」

「私たちに任せて！　まずはお店に向かいましょ、売り切れちゃう前に！」 『ああもう、レディが走るものではありませんわ！』

「分かると思うけど手強いわ。気を引き締めていきましょう」『わたくしの爪、とくと味わいなさいませ！』

「だから、貴女たちも負けないで？」 「えぇ、必ず。演奏会、楽しみにしていますわ」

『今の、聞こえたかしら？』「えぇ。『いいなあああ～』な情報ね」『いいえ、「いいなぁああぁ～」ではなくて？」』「そこなの？」

『その部下たちを犬どもより丁寧にもてなして、〈四猫亭〉の信者にしますの？』「当たらずとも遠からず、ね」

『実体無き者とて……とぎたての我が爪は切り裂けますのよ！』「いい動きね、フィーダ。なら、私も……！」

「……ごめんなさい、手元が狂ったわ」『えぇ、分かりますわ。わたくしにも身に覚えがありましてよ』

四匹の『猫』に拾われて恩返しを決意した魔猫が、彼女たちの居場所を守るため、自由都市トーンを駆け回る冒険譚

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