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四猫亭の幽霊:2話目~魔猫、『幽霊』退治する

更新日:4月29日

 

 前回のあらすじ

 

 商売敵に潰されそうな〈四猫亭〉を守る術を見つけるべく、相棒・〈ウッタ〉さんと共にトーンの街へと繰り出したフィーダさま。港を騒がす海賊をこてんぱんにし、まずはトーンの街自体を守ったのでした。

 



◇できごと2 出目🎲55 回廊の乙女  

〈回廊の乙女〉 レベル4 出現数2体


◆◆◆◆+◆


 〈ユッサ〉が困り顔で〈四猫亭〉の前にいるのを見かけ、何かあったかと聞いてみると、彼女は肩を竦めた。
「お客様から、〈四猫亭〉で『幽霊』を見たって」
『わたくしの事、もうバレてしまっていますの?』
「違うわよ、本物の幽霊。どこかから迷い込んで居ついちゃったみたい」
「アンデッドにも気に入られるとは、〈四猫亭〉も有名になったものね」
「もう、〈ウッタ〉ったら、そんな事言ってる場合~? お客様が怖がって来なくなっちゃうわよ」
「それは困るわ」
「どうするのよ。〈四猫亭〉の幽霊は貴女の筈でしょ?」
 〈ユッサ〉が口元を歪めてフィーダを見やる。フィーダは特に恐れることもなく、平静だった。
『評判が広まってしまう前に倒してしまえば良い話ですわ。真の『幽霊』はどちらか決めると致しましょう』
 海賊退治のお次は、幽霊退治となったのであった。

◆◆◆◆+◆



 このクリーチャーは魔法の武器での攻撃でないと、-2の修正を受けてしまうという、なかなか厄介な敵です。フィーダさまも〈ウッタ〉さんも魔法の武器ではなく、〈ウッタ〉さんの近接攻撃は(軽い武器でもあるので)クリティカル以外当たりません。逃走を選ぶと、〈四猫亭〉の評判が下がってしまい、クリアに必要な票数が増えてしまいます。それは避けるべきですから、ここはやはり……


 戦闘だーッ!!



◆1ラウンド 

 フィーダ 魔法の武器ではないので-2修正……出目勝負! クリティカル!失敗 

 〈ウッタ〉 同じく-2、軽い武器の修正と技量点は相殺……C以外は当たらない クリティカル!→失敗 

 〈回廊の乙女〉全滅!


☆宝物表

🎲6 (🎲5+2)×5=金貨35枚の宝石大



◆◆◆◆+◆


『実体無き者とて……とぎたての我が爪は切り裂けますのよ!』
「いい動きね、フィーダ。なら、私も……!」
 フィーダの爪がキラリと輝き、〈回廊の乙女〉の白いドレスを切り裂いた。悲鳴と共に乙女は消える。〈ウッタ〉も負けじと、強化されたガラス製のワンドを振るう。魔法の武器ではないが、魔法を扱うための武器だ。込められた魔力のお陰か、ワンドは乙女を貫き、そして消えた。乙女たちの消えた場所にはキラキラと輝く大きな宝石が落ちている。
『もしやこれに憑いていたのでは?』
「そういう事もあるかもしれないわね」
『ふん。『幽霊』はわたくしだけで充分ですわ。売り飛ばしてやりましょう』
「では、次の行先はそこにしましょうか」
 〈ウッタ〉が笑いながら宝石を拾い上げた。


◆◆◆◆+◆



 d66の出目は高めですが、戦闘出目の調子がとても良い……!

 『幽霊』VS「幽霊」は、フィーダさまの大勝利と相成りました。

 戦闘あれども短めだったので、今回はもう一つのできごとまで進めます。




◇できごと3 出目🎲25 魔法店  


◆◆◆◆+◆


 二匹の『猫』は、魔法の装備品を扱う店を訪ねる。
 先程の宝石を店主に見せると、そんなにいわくがありそうなものではないようだったが、買い取ってくれた。何も手に持たぬフィーダには無用の店だ。でも物珍し気に眺めて回る。綺麗なものを見るのは好きなのだ。精緻な作りの、虫を象ったらしき装飾品が目に留まる。
『これが特に美しいですわね』
「蛍虫のブローチね。確かに美しい。ランタン代わりに使える代物で、淡く輝くのよ」
『わたくし、夜目は効きますの。やっぱり不要なものでしたわ』
「そのケープにつけても似合うでしょうに」
『確かに……い、いえ! そもそもお値段が良すぎますわ! わたくしを待つ従者の為にも、無駄遣いは避けねばなりませんの』
 少し惹かれはしたが、夜陰に紛れる時に、それが光っていたらすぐにバレてしまう。身に着けた所を想像してうっとりしかけたフィーダだったが、路頭に迷う羽目になった経緯を思い出し、ぶんぶんと頭を振った。
「良き主ね。……私は……そうね、この魔術書が欲しいの。どうかしら、我が主様?」
『全くもう、仕方ありませんわ。貴女は魔術師ですもの、魔術書は持っていて損は無いでしょう。ただ、その分の働きは期待して宜しくて?』
「えぇ、任せて。店主、これを一つ」
 お代を払い、すぐに読むからと包みを断って、〈ウッタ〉は早速とばかりにパラパラと魔術書をめくった。古い書物特有の香りがフィーダに届き、小さくくしゃみをする。
『〈ウッタ〉、優雅に読書している場合じゃなくってよ?』
「ごめんなさい、【異国魔法】にまつわる本だったから、珍しくて……」
『異国にも魔法があるのねぇ……あら、何か落ちたわ』
 興味無さそうに欠伸をかみ殺したフィーダの足元に、ひらりと紙片が落ちてくる。どうやら、〈ウッタ〉の買った魔術書に挟まっていたもののようだ。
「栞かしら……あら」
 〈ウッタ〉がそれを拾い上げると、そこには何かが走り書きされている。落書きの類かと思われたが……それを読み、〈ウッタ〉がニヤリ……と悪い顔をした。なんとそこには、評議員の一人の情報が記されていたのだ。
「……良い買い物をしたわ。お釣りがくるくらい」
『そう? なら、それを許したわたくしも偉いという事ですわね』
「そうね、偉いわ。フィーダは偉い」
『ふふん。そうでしょうとも。わたくしは魔猫のフィーダ。銀月のフィーダですもの!』
 〈ウッタ〉に褒められ、満足そうに尻尾を揺らすフィーダ。こんなに簡単に調子に乗ってしまうなんて、仮初の主様は大丈夫かしら、などと〈ウッタ〉は思ったが口には出さなかった。


◆◆◆◆+◆


 チョロい魔猫フィーダさま。

 お金が無かったけど買い物したかったので、幽霊退治で見つけた宝石を売れたことにして、そのお金で『魔術書』を買いました。これで「手がかり」1つをゲットです。

 〈四猫亭〉は手がかりも票集めのために重要なので、積極的に入手したいですね!


 次回は早くも中間イベント! 

 票獲得のため、〈ウッタ〉さんたちがとある策を実行します。

 成功の鍵を握るのは……勿論フィーダさま!

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