四猫亭の幽霊:13話目~魔猫、衝撃を受ける
- 管理人 天狗ろむ
- 6月7日
- 読了時間: 6分
更新日:6月13日
前回のあらすじ
前回から〈カゲガクレ〉さんを相棒に、トーンの街の冒険を始めたフィーダさま。
暴走状態のからくり巨人を止め、〈愛らしきメルルーサ〉さんに絶賛されたり、酒場と情報屋の宿での情報収集を連続失敗したりしました。あ、荒事担当だから仕方ないね……?
今回は中間イベントとできごと5つめです!
◇できごと4 中間イベント 黒頭巾の兵士たち
出現数8体
◆◆◆◆+◆
今日の情報収集は思うようにいかなかった。街のあちこちを歩き回った挙句に成果は出ていない。流石のフィーダと〈カゲガクレ〉も疲れを見せ、〈四猫亭〉に戻ってゆっくり休んだ。
その明け方の事である。フィーダがうとうとと微睡んでいた時に、激しく扉を叩く音がする。2階から覗き見れば、黒い頭巾をかぶった屈強な戦士たちが、〈四猫亭〉の扉を蹴破ろうとしている!
『〈カゲガクレ〉! 荒事が来ましたわ!』
「嗚呼、対処する」
二人は飛び起きると、即座に臨戦態勢になった。〈四猫亭〉の扉は今にも破られそうである。
◆◆◆◆+◆
戦闘だーッ!
とうとう実力行使に出てきた<黒犬亭>!
かなり多めの人数かつ、戦うには少し手狭な〈四猫亭〉内での戦いです!
何とかなれー!!
◆0ラウンド
〈カゲガクレ〉弓で攻撃 【全力射撃』 成功 器用点5⇒4 黒頭巾8⇒7
◆1ラウンド
フィーダ 【目も当てられぬ激怒】 成功(クリティカル扱い)⇒ファンブル! 器用点6⇒5 黒頭巾7⇒6
〈カゲガクレ〉 武器持ち替え
フィーダ 防御 3回成功
〈カゲガクレ〉防御 2回成功、ファンブル! 生命点8⇒7
◆2ラウンド
フィーダ【目も当てられぬ激怒】 成功⇒成功 器用点5⇒4 黒頭巾6⇒4
〈カゲガクレ〉魔法の武器(小刀)で攻撃 成功 黒頭巾4⇒3
半数を下回ったので戦闘終了
◆◆◆◆+◆
「……ハッ!」
〈カゲガクレ〉は二階の窓からひらりと屋根に上り、気合を込めて弓を放った。見事に襲撃者一人の肩を射抜く。
〈四猫亭〉の入り口の扉は多少頑丈に作られてはいるが、補強などはしていない。あっという間に蹴破られ、ドカドカと兵士たちが上がり込んでくる。
『お客様以外はお呼びではありませんわ。お帰りなさって!』
〈カゲガクレ〉が降りてくる間に時間稼ぎを、と毛を逆立てたフィーダが一階で襲撃者たちを迎え撃つ。しかし、狭い部屋は戦いには向いていない。一人は倒したが、もう一人には避けられてしまった。
「また外したな、フィーダ」
『もう、そういう時もあると言ったでしょう!』
二階から一階の屋根へ、そして入口付近に降り立った〈カゲガクレ〉と、〈四猫亭〉の中にいるフィーダで挟み撃ちにする。残る襲撃者は六人。思惑通り、半分ずつに分かれてフィーダと〈カゲガクレ〉に攻撃を仕掛けて来る。フィーダは攻撃を盛大に外した分を挽回すべく、机や椅子を上手く使ってひらりひらりと躱してみせた。〈カゲガクレ〉も素早い身のこなしで二人の攻撃を躱したが、三人目の攻撃で体勢を崩した。
『〈カゲガクレ〉!』
「……大丈夫、かすり傷だ。問題ないよ」
怯む様子も見せず、〈カゲガクレ〉は刀を構えた。彼女たちを……〈猫〉を守るのが幽霊でありかみさまである自分の使命なのに、また傷つけさせてしまった。
『許しませんわ、狼藉者!!』
怒りに燃えるフィーダの爪が振るわれる。一人、二人。確実に。〈カゲガクレ〉も刀で応戦し、一人に手傷を負わせた。これで無傷が三人。彼らは視線を合わせ、不利と見るや怪我人に手を貸しながら去っていった。蹴破られた扉や、机や椅子などに損害は出たが、どうにか〈四猫亭〉を守れたようだ。
『〈カゲガクレ〉、手当しましょう!』
「これくらいは慣れている」
『慣れるものじゃありませんのよ!』
ぴしゃりとフィーダが言うと、〈カゲガクレ〉は珍しく目を丸くしてぽかんとしたようだった。
「……そうか。そういうものか」
『そうですわよ。荒事には慣れておいても良いですけれど、痛みに慣れてはいけませんわ』
「……分かった。ありがとう、フィーダ」
むっと顔を顰めるフィーダを見て、〈カゲガクレ〉は微かに笑った。久しく、感じなかったこそばゆさだった。
『もう、笑ってないで手当てなさいってば!』
強情そうな〈カゲガクレ〉相手に、フィーダは日が上り切るまで説得を続けたのだった。
◆◆◆◆+◆
キメ技やるとファンブルするのはうちの子のお家芸なんです?
フィーダ「わたくしたちというよりアナタのダイス運ですわよ!」
それはそう。
〈カゲガクレ〉さんがダメージ受けちゃいましたが、何とか軽微で済みました!
フィーダさまが今のところノーダメージっぽいのが流石魔猫さま。
◇できごと5 出目🎲42 疾走する馬車
器用ロール フィーダ ファンブル! 生命点4⇒2 食料2⇒1 生命点2⇒4
〈カゲガクレ〉 自動成功
◆◆◆◆+◆
「フィーダ」
『……聞こえませんわ、わたくしの言うことを聞かない者の言葉なんて』
結局、〈カゲガクレ〉は軽い手当てをしただけだった。心配なフィーダはもっとしっかり休むように言ったのだが、休んでなどいられないと聞く耳を持たない。警戒を続けたまま夜明けを迎え、そのまま情報収集に出てきてしまった。しまいにフィーダはむくれてしまい、ツーンとそっぽを向いたままだ。
「……フィーダ!」
『何度話しかけようとも聞こえません……わー!?』
〈カゲガクレ〉が鋭くフィーダを呼んだが、ご機嫌を損ね中の彼女は気づかなかった。疾走する馬車が近づいてきていることに!
馬に蹴り飛ばされる事は何とか避けたが、馬車の車体に体を打ち付けてしまう。
『う、うぅ……わたくしとした事が……』
「フィーダ。……痛みに慣れてはいけないぞ」
『~~っ、もう! 貴女ねぇ! 貴女の所為ですわ、〈カゲガクレ〉!』
「すまない。……食べるか?」
痛みやら怒りやらで震えるフィーダに、〈カゲガクレ〉はそっと干し魚を差し出す。食べずにはやってられない! とばかりにフィーダは干し魚に食らいついた。干されていても肉厚なそれは、噛めば噛むほど旨味が出てくる。フィーダが今まで貢がれてきた魚の中でも、逸品の部類に入るものだった。
『……わたくしの好物を用意していたなんて、少し見直しましたわ』
「口に合ったのなら良かった。……私が釣り上げたんだ」
『〈カゲガクレ〉、貴女、釣りが出来ますの!?』
「……まぁ、それなりには」
『わたくし、釣り人が大好きですのよ!』
くるりと手のひらを返すように機嫌を良くしたフィーダは、馬車に跳ね飛ばされたショックも忘れたのか、さ、気を取り直して参りますわよ! と駆け出していく。
「……私も、」
そんなフィーダを見つめ、少し目を細めた〈カゲガクレ〉は、最後まで呟く事はせずにフィーダの後を静かに追った。
◆◆◆◆+◆
ノーダメージだって言った傍からぁ!!
初ダメージ?が馬車なのちょっと笑ってしまいましたよね。
〈カゲガクレ〉さんが同行してると、警戒しているお陰で器用ロールに+修正つくんですが、むくれフィーダさまには届かなかったようです……。
〈カゲガクレ〉さんが釣り好き、のくだり、どこから出てきたんだ……?(メモ時点で何か見たのかもしれないけど、見つかりませんでした!)でも何か釣り好きそうだなって自分は納得出来たのでそのまま使ってます。
できごと6、7は当者比めちゃ長なので、そこで区切りたいと思います。
めちゃ楽しかったポイントがまた来ます!(笑) 次回をお楽しみに!
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