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『可愛いあの子に最高のプレゼントを』前編:勇者ベラのぼうけん!①


 それではお待たせしました!

 つよくてやさしい勇者ベラの初めての冒険は、お友達の女の子へのお誕生日プレゼントを見つけること!

 果たして、勇者ベラはプレゼントを見つけることができるでしょうか……!

 

 :マスター/GM

 :幼いディジベラ/PL 勇者ベラ/PC

▼ はじまりはじまり


「では、冒険を始めるとしよう」
「はーい!」
「こほん。……勇者ベラの元に、1通の手紙が届きました。それは、知り合いの少女の誕生日パーティーの招待状でした。『たんじょびパーティーにきてくだちい!」と書かれています。彼女の誕生日は4月22日。ですが、手紙が届いたのは21日の夜でした。……ということだから、何らかのトラブルで手紙が届くのが遅れたようだね」
「うそー! おたんじょうびパーティーなのに、何にもじゅんびできてない!」
「そうだね。勇者ベラもそう思ったのだろう。素敵なプレゼントを用意しなくては、とね。パーティーが始まるのは22日の午後らしい。午前中の間に、ラパナパの街か、近くの森でプレゼントを探すことにしよう。さて、街も森もどちらも探索できるけれど、どっちが先がいいかい?」
「うーん……やっぱり街が先かなぁ。でも、金貨あんまり持っていないから、買えないかも。先に森をさがして、売れそうなものをさがす! 森にもいいものあるかもしれないし!」
「良い判断だ。じゃあ、まずは森エリアから探索してみよう。今回はd22……2面ダイスを2回振って、一つ目を10の位、2つ目を一の位にするんだけれど……」
「ダイスって6つ面があるよ?」
「そうだね。こういう時は、1~3が出たら1、4~6が出たら2としよう。ダイスを2個(2回)振ってごらん」
「うん! それー!」


🎁森のできごと1 🎲3、3⇒出目11<歌う花ウサギ>


「森に入ると、どこからか歌声が聞こえる。勇者ベラが近づいてみると、頭に花を咲かせたウサギが見えた。歌っているのはそのウサギのようだね」
「かわいい! どんなおうたかな?」
「勇者ベラなら物知りだから、その花ウサギがどちらかといえば植物で、マンドラゴラに近い種であると知っているだろう。危険を察知すると一斉に大きな音を出すこともね」
「マンドラゴラ……引っこ抜いたら、大きく叫んで、それを聞くとしんじゃうやつ……?」
「花ウサギの大声なら死にはしないよ。でも大きな音で耳が少し聞こえなくなって、戦いづらくなってしまうかもしれないね」
「そっかぁ。レニアスおにいちゃんみたいな感じってことだね!」
「はは、確かに彼は声が大きいからね。さて、できごとを決めたら、弱いクリーチャーの場合は出現数をまず決めようか。今回の花ウサギは1d6だね。ダイスを一回振って決めよう」
「うん! 5が出たよ!」
「じゃあ、ここにいるのは5体の花ウサギだ。クリーチャーに出会ったとき、【反応表】で反応を見るか、先制攻撃をしかけることができるよ。どうしたい?」
「んー……でも、歌ってるだけだよね。それを邪魔するのはよくないとおもう。反応をみてみる!」
「分かった。じゃあ、1d6……ダイスを1回振ってごらん」

【反応表】 🎲5 【敵対的】

「おや、ちょっと機嫌が悪かったみたいだね」
「えー! 戦うのやだよぉ!」
「じゃあ、こういう時に便利な魔術があるよ。何だったかな?」
「えっと、えっと……あ、【友情】! これは、【反応表】を振った後でも使えるんだよね?」
「うん、正解だ。その【友情】を使って、【反応表】の出目を1点減らせば、【友好的】に変わるよ」
「じゃあ使う! そうすると、魔術点は1点へるよね?」
「そうそう。じゃあ、4点から1点減らして、3点にしておこう」
「うん!」

勇者ベラ 魔術点4⇒3

「なら……勇者ベラが近づくと、一瞬敵が来たと思い込んで、花ウサギたちは警戒したけれど、勇者ベラが歌を褒めて拍手をすると、機嫌を良くしてくれたようだ」
「嗚呼よかった! 素敵な歌だね!」
「『ありがとう。ところで、こんなところまで何しに来たんだい、勇者ベラ』」
「えっとえっと、『お友達のたんじょうびパーティーに呼ばれたんだ。でも、プレゼントを用意していなくて。何か良さそうなものを知っているかな?』」
「『それなら、いいところを知っているよ。近くに花畑があるんだ。そこのお花は綺麗だから、きっと喜んでもらえるよ』」
「わぁ、お花! すてき! じゃなかった、んーとね……『ありがとう! 少し摘ませてもらうよ。じゃあおじゃましたね、良い1日を!』」
「うん、上手だねディジー。じゃあ、花ウサギたちに教わった花畑で、【プレゼント候補】の「綺麗な花束」をゲットしたよ」

勇者ベラ 持ち物:ランタン、【プレゼント候補】綺麗な花束(ランク1)

「やったー! これで渡せるものができた!」
「これは、プレゼントのランク1だね。ランクは3まであるようだから、もっといいものもあるかもしれない。高い方が喜ばれる可能性があるだろうね」
「じゃあ、もっといいものを探す~!」
「その意気だ。じゃあ、またできごとを決めよう」
「ダイスを2個振って決めるんだよね。えい!」

勇者ベラの話し方は、ディジベラちゃんが一番かっこいいと思っている冒険者……つまり、パパ(マスター)の喋り方をなるべく真似している、という設定でお送りしてます。ちなみにパパはそれには気づいてません。鈍感さんめ!



🎁森のできごと2 🎲3,4→出目12 <無造作に置かれた宝箱>




「森の中にポツンと宝箱が置いてある。こんなところに宝箱があるなんて怪しい。罠かもしれないが……どうする?」
「宝箱! だって中に何か入ってるかもしれないし、開けるー!」
「勇者ベラならそうするだろうと思ったよ。じゃあ、1d6を振って、中身がどうか見てみよう」
「おったから、おったからだといいな~!」

🎲2 特に何も入っていない

「おや、罠もかかっていなかったが、中は空っぽだったようだ」
「え~! もう誰かに持っていかれちゃったのかな。ざんねん!」
「まぁ次は何か見つかるかもしれないからね。できごとを決めよう」
「はーい!」



🎁森のできごと3 🎲2、2⇒11⇒出目21 <エリートドリルウサギ>



「パパ! また11になっちゃった! もう一回花ウサギに会えるの?」
「いいや、今回のお話のルールだと、出目が被った時は、出目を1つ増やすんだ。出目12も出しているから、そうなると、出目21だね」
「じゃあ、できごとは1回だけなんだ。もう一回宝箱チャレンジ出来たら良かったのに……」
「冒険がいつもうまくいくとは限らないんだよ。さ、出現数を決めよう。1d3+2だから、出目1、2が出たら1,3、4が2で……」
「5と6が出たら3ってことね! 出目は……2だから1+2で3匹!」
「正解だ、よくできました。この子たちは……少し厄介かもしれないね。戦闘になると、0ラウンド目の遠距離攻撃のみ出来るときに、攻撃をしかけてくる子だ」
「この子は反応表を見てもダメ?」
「いいや。中立だったら戦わずに済むよ。どうする?」
「じゃあ、【反応表】をふる!」

【反応表】🎲3 【中立的】

「なら、〈エリートドリルウサギ〉は特訓をしているだけだね。木に立てかけた的に、自分の角を飛ばして当てる練習をしているよ」
「すごい、熱心だね! 『やあ、頑張っているみたいだね。見事なウデマエだ』」
「『ありがとう、勇者ベラ。1回目は当てる自信があるんだ。でもまだ2回目、3回目と続けると、少し精度が落ちてしまうんだよね……』」
「んー、っと……『そうか……。でもずっと練習していれば、君たちならいずれ素晴らしいウデマエになると思うよ。応援している』」
「『ありがとう、勇者ベラ! 君にそう言ってもらえたら、そんな気がしてきたよ。頑張るね、僕たち!』」
「あ、そうだ! エリートさんたち、プレゼントのこと、何か知らないかな? ……『ねぇ君たち、私は今、誕生日のお友達にあげるプレゼントを探しているんだけど、何か知らないかい?』」
「『そうだなぁ……そういえば、森と街の境目で、お店をやってるみたいだよ。もしかしたらそこに、何か贈り物に出来そうなものがあるかもしれない』」
「『お店! ありがとう、行ってみるよ』」
「よし、じゃあそのお店に行ってみようか。次のできごとは固定の中間イベントだから、ダイスは振らなくて大丈夫だよ」
「はーい、何が売ってるかなあ?」



🎁できごと4 中間イベント:〈可愛いあの子にぬいぐるみを〉



「〈エリートドリルウサギ〉の言っていた通り、街と森の間の広場で、複数のウサギと人間たちが列を作っているのが見えたよ。どうやら、買い物をしようと並んでいるようだね。人が並ぶほど人気であれば、プレゼントにいいかもしれない」
「並んでみるー!」
「よし。少し待っていると、勇者ベラの番がやってくる。特に人気の商品は2つあるようだね。お一人様一つまで買えるし、追加で金貨を2枚払えば、【ラッピング】もしてくれる。【ラッピング】した【プレゼント候補】はランクが1つ上がるよ」
「やったー! じゃあ【ラッピング】してもらう! 何か買えるかな?」
「『ぬいぐるみノウサギさん』は金貨5枚。『喋る!デラックスぬいぐるみノウサギさん』は……金貨15枚だね」
「そっちの方が凄そうだけど、買えないね……じゃあ、ぬいぐるみノウサギさんを1つ、【ラッピング】してください!」
「そうすると金貨何枚になるかな?」
「えっと……ノウサギさんが5枚、【ラッピング】が2枚だから……全部で7枚! 金貨10枚から引くと…残りは、3枚!」
「よくできました。えらいなディジーは。じゃあ、店員さんは丁寧に【ラッピング】されたぬいぐるみノウサギさんを渡してくれるよ。これでランク2だ。そういえば、持てる装備品は、生命点の最大値までだから、気を付けて」
「えと、今はランタンと、綺麗な花束と、ぬいぐるみノウサギさんだから、3個ね。勇者ベラは生命点が5点だから、あと2個持てる!」
「そうそう。じゃあ、金貨を減らして、今度は街の方へ行ってみよう」
「うん!」

勇者ベラ 金貨10⇒3


 さて、前編の森エリアの探索はここまで!

 前半と後半で探索エリアを変えるところとか、プレゼントのランク制度とか、寝子さんのシナリオはほんとよく出来てらっしゃって、シナリオ制作の面でも凄く参考になるのでした…賢い!!そしてシナリオは可愛い!!


 前編では戦闘も避け、ほのぼのと進みましたが、後編はとうとう戦闘の気配が……!

 次回の後編をお楽しみに!

 


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