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可愛いあの子に最高のプレゼントを:準備編~勇者ベラのたんじょう!~

※このリプレイは、「幼い頃のディジベラが、絵本の主人公になりきって遊んでいる」という体のリプレイです。ややこしくてすみません。ウサギノニワなどがある大陸キャトルドは、ラドリド大陸から西に行ったどこかにある別大陸だそうなので、行けないこともなさそうなのですが、ディジベラちゃんは父マスターに冒険はまだ早い! と厳命されている為、このような形としています。




・ω・


「パパ! わたし、ぼうけんがしたい!」
 とある夜のこと。良い子は寝る時間も間近になった頃、全く眠気を感じてなさそうな様子で、幼いディジベラが父の部屋を訪ねてきた。小さな両手に絵本を抱えているから、それを読んで欲しいのか、と思ったがどうも違うようだ。
「ディジー、どういうことかな? 話してごらん」
「この絵本のね、勇者みたいにてきをやっつけたり、人のやくにたったり、おたからを見つけたり、あたらしいクリーチャーに出会ったりするの!」
「嗚呼、なるほど、冒険ごっこか。それじゃあ、ディジーはどんな勇者になりたいんだい?」
「えっとねぇ……」


▶勇者をつくろう!


 という訳で、ディジベラちゃんの代理としての勇者(冒険者)をキャラメイクしましょう。

 今回は、基本ルールの魔術点を選び、「魔術師」としてスタートさせます。

 マスターが先生役ディジベラちゃんが生徒役、といった雰囲気でかなり基本的な部分の解説を、ややお子様向けに噛み砕いて説明しながら進めていきます(もしも、そもそもの解釈が違ったらすみません~!)。その辺りは分かるよ! という方は読み飛ばして頂いても構いませんし、読み物としても親子のほのぼの風景をお楽しみ頂けます。


※主人公のことを冒険者と言ったり勇者と言ったり、魔術を魔法と言ったりしています。同じ意味としてご理解ください。



▶勇者のちから!


「主人公は4種類の能力値を、基本的な能力値として持っているんだ」
「のーりょく……ちからが4つあるのね!」
「そう。まずは一番よく使う技量点。これは運動神経や知識などを幅広く指すんだ。冒険者や勇者としてどれほど経験があるのか、というところだろうね」
「じゃあ、パパはすごい冒険者だったから、技量点は100くらい?」
「ははは、それくらいあったら凄いな。でもね、技量点は最大2点までしか上げられないんだ。だからパパは技量点2点だな。しかも、技量点を1点上げる為には、経験点……経験値、経験ポイントが4点も必要なんだよ」
「えー! そんなにー!?」
「でも上げておくに越したことはない能力だ。基礎値は0点だから、そのままだとだいぶ不利になる事が多い。攻撃や防御にも使うからね」
「じゃあとってもだいじなんだね。他の3つは?」
「順に説明しようか。もう一つ大事なのが生命点だ。これはヒットポイント……HPだね。これが0になったら冒険者は倒れてしまってゲームオーバーだ」
「やだやだ! これも100点くらい増やせる?」
「これにも上限がある。職業や種族によっては変わるんだが……基本ルールの魔術師は、経験レベル15までは最大+4点までだね」
「それだけじゃすぐしんじゃうよ!」
「生命点は装備でも増えることがある。基礎値は4点あるし、装備も見てから増やすかどうか決めると良いかもしれないね」
「分かった。3つ目のは?」
「3つ目は副能力値だ。その冒険者が、特に得意とする能力だね。これも4種類ある。力持ちなら筋力点、神様からの祝福を受けているなら幸運点、細かい作業が得意なら器用点……といった風だね。今回のディジベラは、魔法が使える魔術点だ」
「これも100点くらい使える?」
「そしたら大魔法使いだなぁ。これも上限は+4点までだ。使っても減らない技量点とは違って、副能力値点は使うと減っていくよ」
「減ったらおしまい?」
「そうだね、0点だと魔法や特技は使えなくなってしまう。基礎値は2点。多いと便利だけど、最初は使いどころが大事だね」
「えっと、技量点、生命点、副能力値の魔術点、だよね。……あと最後は?」
「4つ目は従者点。これは連れていける従者……仲間の数を表しているよ。多いほど沢山ついてきてもらえる。主人公が一人の場合は、重要なポイントだね」
「これも100点ほしい……」
「基礎点でも7点あるよ。これは最大+2点まで伸ばせる……けれど、従者点を1点増やすのには経験点が2点必要だから要注意だね」
「なかま……っておともだちよね。わたし、いっぱいほしい!」
「そうだね、お友達はいっぱいいた方がいい。これで、4つの能力の説明はおしまいだよ。冒険を始める時の主人公……勇者には、経験点が10点プレゼントされるんだ。これを、どれに割り振るかは、ディジーの自由だよ。じゃあ改めて、どの能力を伸ばしたいか……どんな勇者になりたいか、考えてみよう」


▶勇者をつくろう!

「んーっとね、技量点は2点欲しいなぁ。おともだち……はもう7人連れていけるのよね。魔法をいっぱい使えるといいかなぁ。ねぇパパ、魔法ってどんなものがあるの?」
「それも説明しておこうか。基本的な魔法……魔術は6種類あるよ。【気絶】【炎球】【氷槍】【速撃】【武具創造】【友情】だね。そして、魔術点2点につき1つ覚えられるんだ。だから経験点を振らなくても、1つは覚えていることになる」

▶魔術は6種類!

「うーん、わたし、クリーチャー好きだから、あんまり攻撃したくないの。【友情】ってどんな魔術?」
「戦うことを好まないなら、【友情】は良いかもしれない。金貨の【ワイロ】が有効な対象に対して使うと、その金額を10分の1にすることができるんだ。それか、【反応表】のさいに振ったサイコロの出目を1点減らすか増やすことができる。この呪文は【反応表】を振った後で使えるから、戦いを避けやすくできる魔術だね」
「やさしい魔術、ほかにもある?」
「それなら、【気絶】もおすすめだ。この呪文は「弱いクリーチャー」に対してのみにしか効果はないんだけれど。成功すれば、対象を眠らせて、無力化できるんだ。半数以上眠らせれば、倒さなくても勝利とみなされるよ」
「それいいかも! あとの4つは? 攻撃する?」
「【炎球】は複数の敵にダメージを与えるし、【氷槍】は1体の敵に2点のダメージだ。あとの2つはサポートの役割かな。【速撃】は不意打ちなどを受けても自分の攻撃からに出来るし、【武具創造】は基本ルールにある装備品を1回の冒険の間だけ作ることができる」
「うーん、わたしの勇者は、つよいけどやさしいのがいい。だから、【気絶】と【友情】おぼえたい!」
「強くて優しい、か。素敵な勇者だね。じゃあ、装備を整えながらステータスを見ていこう。魔術点を選んだ勇者には、軽い武器と布鎧、あとは共通の持ち物ランタン、そして金貨10枚がプレゼントされるよ」

▶勇者のできあがり!

勇者ベラ (魔術師)

技量点:2 生命点:5(布鎧の修正含む)

魔術点:4 従者点:7

魔術:【気絶】【友情】

装備:軽い武器(杖、打撃)、ランタン

金貨:10枚

従者:兵士ウサギ×7


「名前はベラにしたんだね、良い名前だ」
「うん! そうびの布鎧は、生命点に1点プラスされるのね!」
「そう。そして、器用ロールという判定の時に+1の修正がつくよ。これは器用点に+1点という訳ではないから要注意だね」
「軽い武器……って、なんでもいいの?」
「そうだね。形は決まっていないから、好きな武器にしていい。それと、打撃か斬撃か、攻撃特性を選んでおくことだ。軽い武器は、攻撃ロールに-1点の修正がついてしまう。でも、軽い武器だから狙いやすい敵もいるんだ、たまにね」
「うーん、魔術使うし、杖にしようかな。ママが持ってたみたいなの!」
「嗚呼、良いと思うよ。それなら打撃かな。アレで殴られると結構痛いんだ」
「パパ、ママに怒られるようなことしたの……?」
「うーん、私はママに愛を示しただけだったんだけど。ママは恥ずかしがり屋さんだからね」
「そっか。あとは何を決めるの?」
「従者……お友達を連れて行こうか。金貨を払うとついてきてくれる、少し心強い力を持ったお友達もいるけれど、一緒に来てと言えばついてきてくれる子もいるよ」
「金貨は10枚しかないよね。剣を使える子だと1人、弓を使える子と魔術を使える子だと2人……これ、ってなあに?」
「斥候(せっこう)だね。偵察をしてくれる。敵が多いとき、その場所を避けたい時に活躍してくれるかもしれない。戦うことはできない子だね。まだ金貨がいっぱいある訳じゃないから、最初は兵士のお友達に7体来てもらう、でも良いと思うかな。今回のお話は、ランタン持ちもいらないようだからね」
「ランタン持ち?」
「お話によっては、洞窟とか暗い場所を探検することもあるんだ。そういう時は明かりが必要だろう? 暗いと何にも見えないからね」
「勇者ベラも持ってるよ、ランタン!」
「片手武器の主人公は、自分で持っていてもいい。両手武器の場合だと、ランタンが持てなくなってしまうからね。そういう時には、太刀持ちと合わせて必須のお友達といえるかもしれないね」
「今回は、ランタンなくてもいいんだもんね。じゃあ、おともだちの兵士ウサギさんに7匹ついてきてもらう!」
「名前はつけておくかい?」
「んっとね、ウーちゃん、サーちゃん、ギーちゃん、ヘーちゃん、イーちゃん、シーちゃん、ウーくん!」
「分かりやすくていいね。じゃあ、そろそろ冒険を始めようか」
「やったー!」



 と言う訳で、幼いディジベラちゃんもキャラクターを作ることができました。

 ローグライクハーフは10歳からでも出来るくらい簡易なシステムとなっておりますので、お子様でも(親御さんの補助は必要かとは思われますが)楽しめると思います。勿論大人もしっかり楽しめますので……


 皆様も気軽にローグライクハーフを始めよう!!!!!


 ちなみに、幼いディジベラちゃんは【気絶】と【友情】を選びましたが、個人的には【炎球】か【氷槍】のどちらかを持っていると戦いやすいかな~と思います。【気絶】だったら【氷槍】かな。実は2点ダメージを与えられる特技、あまり無いのでかなり重要だったりするのです。普通は1点ダメージですからね。


 閑話休題。


 それでは、次話よりリプレイ小説本編『可愛いあの子に最高のプレゼントを』前編の始まりです!



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